小山 宙哉(著)「宇宙兄弟(27)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063885232/>
コミック: 208ページ
出版社: 講談社 (2015/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063885232
ISBN-13: 978-4063885231
発売日: 2015/11/20
[書評] ★★★★☆
ハイ、表紙からも分かる通り、ヒロイン・伊東せりかチャンに事件の起こる巻。
月面に到着した主人公・南波六太(ムッタ)。月面最初のミッションは、月面着陸・移動モジュールの可動部に詰まってしまったレゴリス(月の砂)の掃除という、予定外の地味な作業。そんな折、同じタイミングでISS (国際宇宙ステーション)で無重力環境実験を進めていたヒロイン・伊東せりかチャンに黒い影が迫る。せりかチャンに恨みを持つ某氏が、根も葉も無い話をネットに流し、大炎上…。JAXA(宇宙航空研究開発機構)や文科省に対するバッシングまで始まり、とうとう政治家(文科大臣)まで動き出す…。
ひどい話だが、ネット時代(つまり2015年の今現在)、充分に起り得る話だ(実社会の方でも近年色々な「炎上」が起きていますね)。国や企業の苦情窓口関係者やCSR担当者には、本作に登場する文科大臣のダメダメな対応っぷりを反面教師にして欲しい。(このエピソードで、作者・小山さんが、保身や言い訳に走って大事なことを見落としている政治家に対して、色々と不満を抱いていることもよく分かる。)
近未来SFストーリーのはずが、妙に、CSR(企業の社会的責任)、コンプライアンス(法令順守)、コーポレートガバナンス等を含めたリスクマネジメントや、モンスタークレイマーの問題といった、今の世相を反映しているようで、チョットお気楽には読めなかった(そういう意味では大人向けのコミックと言える)。特に本巻では、ネット上の情報のあり方や、個人や組織がそれらをどう捉え、どう処理すべきかを考えさせられる作品。
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