2017年6月4日日曜日

西尾維新「掟上今日子の旅行記」


西尾維新「掟上今日子の旅行記」(忘却探偵シリーズ8)
<https://www.amazon.co.jp/dp/4062203766/>
単行本(ソフトカバー): 226ページ
出版社: 講談社 (2016/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062203766
ISBN-13: 978-4062203760
発売日: 2016/11/17

[書評] ★★☆☆☆

長編。今回は、毎度おなじみの不運のフリーター、隠館厄介(かくしだて・やくすけ)クンが語り部。「寝る度に記憶がリセットされる」探偵が、なぜフランスへ招かれて…?

元の設定がブッ飛んでいることはシリーズを何冊か読んでいるうちに慣れてしまうが、今回は犯罪(の予告)自体がふざけている。また、盛り上がりに少々欠ける作品だったかも知れない。厄介クン、これまでは今日子さんに振りまわされる「脇役」(にして語り部)であったが、今回は事件の犯人と直接コンタクト。この辺りに意外性はあったが…。

忘却探偵シリーズは、初期の作品は、西尾氏の他の作品(〈物語〉シリーズなど)と比べて一文が短め、坦々と書かれていて読み易かったのだが、本作は〈物語〉シリーズと同じくらい言葉遊びが多く、また一文が長くて諄(くど)い。少し読みにくい本になってしまっている。盛り上がりに欠ける作品であることと合わせ、読者として引き込まれる本ではなかった。まぁ、西尾氏の作品が好きな人がボチボチと読む本。

【オマケ】本書を買うと付いてくる栞は、AIR FRANCEの物と良く似た「AIR DETECTIVE」の航空券(搭乗すると右側の半券?のみ渡されるタイプ)。…って、今ドキこの手の紙の航空券って見なくなったような。で、よく見ると座席番号が本書内容と合致するように書かれている。芸が細かいな~(笑)。

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忘却探偵シリーズ書籍リスト
  1. 「掟上今日子の備忘録」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062192020/> (2014/10/15)
    ↑不運のフリーター・隠館厄介(かくしだて やくすけ)クンが語り部。短編集。
  2. 「掟上今日子の推薦文」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062194503/> (2015/4/23)
    ↑語り部は、警備員の親切守(おやぎり・まもる)クン。一見、短編集だがストーリーの間の関係が深く、長編と見ることもできる。
  3. 「掟上今日子の挑戦状」 <https://www.amazon.co.jp/dp/406219712X/> (2015/8/19)
    ↑「神視点」(語り部不在)。
  4. 「掟上今日子の遺言書」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062197847/> (2015/10/6)
    ↑長編。シリーズ1冊目と同じ隠館厄介(かくしだて やくすけ)クンが語り部。
  5. 「掟上今日子の退職願」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062199068/> (2015/12/17)
    ↑短編集。4人の女性警部が各話の語り部。
  6. 「掟上今日子の婚姻届」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062200716/> (2016/5/17)
    ↑長編。語り部は再々度、隠館厄介クン。
  7. 「掟上今日子の家計簿」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062202700/> (2016/8/23)
    ↑短編×4本、それぞれ別の刑事が語り部。
  8. 「掟上今日子の旅行記」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062203766/> (2016/11/16)
    ↑長編。今回も隠館厄介クンが語り部。
  9. 「掟上今日子の裏表紙」 <https://www.amazon.co.jp/dp/4062205769/> (2017/5/23)※未購入
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