上念 司(著)「経済で読み解く大東亜戦争」(ベストセラーズ、2015/1/24)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4584136157/>
単行本(ソフトカバー): 256ページ
出版社: ベストセラーズ (2015/1/24)
言語: 日本語
ISBN-10: 4584136157
ISBN-13: 978-4584136157
発売日: 2015/1/24
[書評] ★★★☆☆
第1次世界大戦~第2次世界大戦前後、日本がどうして中国での戦線拡大~対米開戦に突き進んで行ってしまったかを、経済政策とその失敗を中心に解説した本。
- 第1次大戦後長引いていた不況により、国民の心が荒んでいった。
- 人心が「諸問題を一挙に解決する」と称するアブナイ思想に染まり易くなって行った。
- 大マスコミ(新聞)が人々を目覚めさせる記事は書かず、売れる記事すなわち人々が求めるアブナイ思想を広めてしまった。
- 経済政策の失敗
- 金本位制によるデフレ(貨幣発行量が増やせず産業の発展にブレーキをかけてしまう)→不況・国民生活の困窮。
- コミンテルンの意を受けて行動した日本のエリートが、日米を交戦させることによって日本を滅ぼそうとした。コミンテルンは米国でも反日キャンペーンを張り、日米の衝突を加速した。
- レーニンは日米を衝突させ、日本の国力が低下した戦争終末期に、日露中立条約を更新しないと一方的に通達し、終戦の数日前に(後出しジャンケンのようなタイミングで)参戦してきた。
- 大陸(旧満州国)で敗戦を知った多数の邦人を拘留し、シベリア等で強制労働に駆り出した。
- 北方領土問題に至っては戦後70年を経た今でも解決していない。
過激な記述が多めなのが問題と言えなくもないが(多少ナショナリスト的)、分析と論点は明確。戦争を生み出す経済状況を知り、戦争を回避するために取り得る経済政策を考える上で参考になる内容が多いと思う。
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