魚川 祐司「講義ライブ だから仏教は面白い!」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062816318/>
文庫: 416ページ
出版社: 講談社 (2015/12/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062816318
ISBN-13: 978-4062816311
発売日: 2015/12/18
[書評] ★★★★★
さて、本書。チープにも見えるキャッチコピーから予想されるよりもずっと面白かった。
仏教思想の入門の入門といった位置づけの本だが、たとえば輪廻とはどういうものといった説明が非常に解かりやすかった。ブッダの教えとはどういうものか?を知るイントロ情報としては必要にして十分だと思う。
- 輪廻や業といった考え方は仏教思想というよりそれ以前からあったインド思想とのこと。この辺りを前提としていない多くの日本人にはブッダの教えは難しいかも知れないが、本書にはこの辺りも非常に解かり易く書かれている。
- なお、本書で扱っている仏教は、ゴータマ・ブッダの教えの源流に近いとされるテーラワーダ仏教、いわゆる「小乗仏教」である。日本では「大乗仏教」の方が圧倒的にメジャーなので、本書に書かれている内容(教えの実践など)には違和感を感じるかも知れない。が、本書は日本でメジャーな仏教との違いも含めてわかり易い。
- ブッダの教えを本当に理解するには、その教えの教理を「知る」以外に「実践する」ことも必要だという。苦から解放されたければ実践せよ…ここだけ拾うと、他の某アブナイ“宗教”と一緒なのだが、「だから、あなたも実践しましょう!」ではなく、実践するかどうかは各自の選択に任せる、といった辺りは、まっとうな教えだと言えよう。
- あちこち表現がクダけ過ぎていたり、喩えが妙に下世話&サブカルっぽかったり、伝えたい内容が真面目な割にナンダカナア(笑)な所もある。が、これも解かり易く伝えるための努力だと好意的に解釈しておこう。
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