2017年4月2日日曜日

楠みちはる「湾岸MIDNIGHT」コミック全42巻

楠みちはる「湾岸MIDNIGHT(1)」

[書評] ★★★★★

以前予告(?)した通り、iOS/Androidスマホ用ゲーム「ドリフト・スピリッツ」繋がりで読むことになった(読まされることになった/笑)、公道カーレース漫画の人気作品です。先日読んだ『よろしくメカドック』と同じく、車いじりが大好きで今もヤンチャなクルマに乗っている友人が貸してくれました(←シリーズ全42巻+DVD 13巻を1度に渡されました…重いですってば!/笑)。でも、紙媒体の本は現在入手困難なので(Kindle版は現在も入手可)、貴重な漫画を読むことができました。

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この漫画、読み始めると止まらなくなる「かっぱえびせん漫画」です(しげの秀一『頭文字D』(全48巻)にも通じるものがあります:最終第48巻・拙書評リンク)。ひと言で言えば、メッチャ面白いです。漫画(コミック)で生活が乱れるのは久しぶりです(前回は去年4月に読んだ、新川直司『四月は君の嘘』全11巻以来でしょうか:拙書評リンク)。

首都高速、湾岸線や都心環状線をステージとした、スピードに取り憑かれた男たちの物語。ステージは、湾岸線(B)、都心環状線(C1)・横羽線(K1)・羽田線(1)・台場線(11)・深川線(9)。関東エリアで車を運転する人にとっては、見慣れた景色が度々出てきます(出版後年月が経ってしまっているので、一部の景色は変わっていますが)。

ほぼ同時期に連載~出版されていた人気漫画『頭文字D』(既読)が主にドライバー視点での話が多かったのに対し、本作『湾岸ミッドナイト』は、メカニック視点の話が多め。商売として成立するカーチューニングと、究極を目指すチューニングとの違いが明確に描かれていたり、主人公も含め多くの登場人物の人生の描写が濃厚。特に金銭面については、『頭文字D』でクルマの改造費(何百万円掛かっているのだろう?)が軽くスルーされているなどチート(笑)があったのに対し、本作はこと金銭に関しては結構現実的なストーリーが多いです。もっとも、公道で出せるスピードや運転技術に多少チートが見られますが…(笑)。モノ作りに関わる人間として、色々考えさせられるものがありました。

それにしても、自動車を中心とする機械の技術に関して、薀蓄(ウンチク)が半端じゃないデス。30巻を過ぎてから薀蓄(と人生に関する説教)が急激に増えたところを見ると、作品に深みを持たせる為に途中で綿密な調査を行なったのかも知れません。戦中~戦後の航空機技術が戦後の自動車産業に活用された経緯など、非常に解り易いです。

あと余談ですが、「首都高ナビマップ」等を見ながら読むと、より面白いかもです。
以下、全42巻の発売日情報+Amazonリンク。

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