石田 衣良 (著)「4TEEN (新潮文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4101250510/>
文庫: 329ページ
出版社: 新潮社 (2005/11/26)
ISBN-10: 4101250510
ISBN-13: 978-4101250519
発売日: 2005/11/26
[書評] ★★★☆☆
物語の舞台は、東京都中央区月島。大手町、銀座といった東京の「中心」から僅か数kmの場所なのに、平成時代の始め頃は、東京の中で少し寂れた場所だった。そんな月島も、90年代後半には「もんじゃ焼きバブル」があった。臨海エリアの再開発も進み、高層マンションが林立し始めた。80~90年代のような「地上げ」のバブルも起こった。
こうした地理・時代を背景にして、思春期真っ盛り、中学2年生の織りなすドラマが本作だ。中学入りたてでもなく、高校受験勉強に本格的に取り組んでもいない2年生。一番“中学生らしい”時期かもしれない。
内容は、まだ子供な部分もありながら、ちょっと背伸びもしてみたい、そんな男子中学生4人を中心とした“冒険”を描いたショートストーリー8篇。著者・石田衣良氏の前作「池袋ウエストゲートパーク」シリーズでもそうだったが、思春期特有の青臭くて少し尖がった思考・行動が上手く描写されている。また、テンポよく読ませる。
本書は'03年に直木賞を受賞した作品とのこと。だが、世間的な評判に関係なく、読み易い。
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