2014年11月6日木曜日

スティーブン・レヴィ 「グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ」

スティーブン・レヴィ 「グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4484111160/>
単行本: 632ページ
出版社: 阪急コミュニケーションズ (2011/12/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4484111160
ISBN-13: 978-4484111162
発売日: 2011/12/16

[書評] ★★★★★

ネットの検索大手であり、スマートフォンのOS(Android)やスマホアプリ・ネットアプリの開発元であり、ロボットや自動運転車の研究開発をしている(…まだ足りないかも)、そんなGoogleの過去と今そして未来を描く本。非常に面白い。「アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか」(2013)(Amazon拙書評)ではアウトサイダー的な書き方がされていたが、本書では一貫してインサイダー側の視点だ。

検索連動型広告が何故ビジネスたりうるのか。Googleがどうやって検索業界トップとなったのか。それまで良い関係を築いていたAppleを敵に回して、どうして携帯電話(スマートフォン)市場に出たのか。国際問題・政治問題に触れるような問題に対する態度はどうか。

6章の、中国への進出~中国政府当局による検閲との戦い~中国でのサイバー攻撃~中国からの撤退、にまつわる話は生々しすぎる。が、中国を人口10億人超の巨大市場と捉える全ての企業の人間が知っているべき話だ。この話題については国際的にデリケートな内容であるためか、多少気を遣った書き方がされているようだが、黒幕が誰なのかは、まあ、明白だ(笑)。

成長を続ける大学生的ノリの企業も、大きくなり過ぎた。今後どう変化し続けるのか、それとももう変化しないのか。今という時代を読む上でも、急成長を遂げた企業がその次にどのように進むべきかを考える上でも、非常に興味深い著作だと思う。IT系に限らず、製造業・サービス業など広い分野の人に参考になる良書だと思う。

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