<http://www.amazon.co.jp/dp/4492223347/>
単行本: 168ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2014/1/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4492223347
ISBN-13: 978-4492223345
発売日: 2014/1/10
[書評] ★★★★★
ナカナカ刺激的な題名だ。会社員として「タブー」と言っても良い台詞が、そのままタイトルになっている。
従業員に仕事に「やりがい」を感じるように求めるのは、終身雇用制度が成立していた時代の遺物だ。だが、会社側にとって、「やりがい」は従業員に与えるには都合の良い飴だ。「やりがい」を餌に、給与(や残業代)に見合わない仕事を押しつけるのに利用されている。しかし、会社が、従業員の一生を保証できなくなった今、このような仕事のさせ方には問題があると本書では説く。
残業の定常化や残業代の不払いは、マネジメントによる不法行為だ。有給休暇が自由に取れないのは、仕事の計画の立て方が正しくないからだ。従業員に「経営者目線」を求めるのは、会社にとって都合の良い考え方を押し付けるのに等しい。
本書では、日本企業がどのように従業員を「社畜」化しているのかを解き明かすとともに、労働が本来あるべき姿を示す。すなわち、終身雇用制が崩れた現代日本における、新しい働き方の提案だ。会社と従業員は対等な関係にあるべきで、従業員も会社と対等に取引するために労働市場における自分の価値を高める努力を続ける必要があると述べる。
本書から引用したい箇所はたくさんあるが、一番衝撃的だったのは以下の項。
- たとえば、サービス残業のような違法行為は明確な契約違反として対処すべきことです。「残業代を払ったら会社が潰れてしまう」と会社が言うのであれば、きっちりと残業代を払ってもらった上で、潰れてもらえばいいだけです。 (p. 148より)
社会人(従業員)は今後、労働基準法等をきっちり勉強して自分自身の身を守るとともに、より良い組織で価値提供出来るように自己研鑚をしましょう、と言えば概ね本書の結論となろうか。
会社員全員(上司にも部下にも)オススメの本。就職前の学生にもオススメできる良書だ。
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