某書店に平積みされていた本で、こんなの見つけました。
<http://www.amazon.co.jp/dp/456967495X/>
文庫: 194ページ
出版社: PHP研究所 (2010/8/2)
ISBN-10: 456967495X
ISBN-13: 978-4569674957
発売日: 2010/8/2
東大家庭教師友の会(著)「東大生が捨てた勉強法」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4569762131/>
文庫: 221ページ
出版社: PHP研究所 (2014/8/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4569762131
ISBN-13: 978-4569762135
発売日: 2014/8/4
[書評] ★☆☆☆☆
現役東大生にインタビューして、東大合格に至った勉強方法と、使えるように思えて実際には役に立たなかった勉強方法、について書かれた本。本書に出て来るのは、ひたすら読む人、書き出すことを重視する人。ノートには書き方のルールを課す人、ルールを作らない(ルールに縛られたくない)人。ノートは多色で色分けして綺麗にまとめる人、黒・赤の2色だけで充分だという人(多色にするとポイントが解り難くなると言う)。まとめノートを作る人、まとめる時間があったら別のことをやる人。要するに、「人それぞれ自分に合ったやり方をやっている」ということ。誰にでも応用可能な方法など無いという、身も蓋もない結論だったりする(笑)。
ただ、多くの人に共通する方法として、以下は挙げられるかも知れない。
- 学校(や予備校)の授業は、その場できちんと理解できるように集中する。
- 暗記モノは電車の中や待ち時間等の隙間時間を活用し、机では机でしかできないことをやる。
- 参考書は何冊も使うより、1冊をみっちりとやると良い(但し、自分と相性の合わない参考書は捨てる、という潔さも必要)。
- 英語・漢文・古文は音読して、意味だけでなく音のリズムで覚える。
- 英文は逐語訳をせずに英文のまま読む。日本語に合わせた「返し読み」をせず、読み下す。(読み下せる位の英語力はつけておく。)
まとめると、特に新しい情報は何も無かった、というのが正直なところ。安易な手に走ろうとする人、ラクして結果を得ようとする人が多いから、こういう本が売れるのかも知れない。が、この手の本を読んでも、(一瞬人より上を行けた気がするかも知れないが)何も得られないということは肝に銘じておくべきだろう。粗製乱造されている「自己啓発本」と同じだ。
1冊約500円程度と安くはあるが(「選んだ」が476円+消費税、「捨てた」が580円+消費税)、可処分所得の多い大人からならともかく、親の脛かじりの高校生から集金しようとする根性はイタダケナイ。
◆以下雑記
出版社は「PHP研究所」でありビジネス書系で割とマトモな所だが、著者は「東大家庭教師友の会」という怪しい名称の団体だ。著書の内容については誰も責任を持っていないと考えて良いだろう(そう言えば私も大学入試合格後に「合格体験記」や「合格する勉強法」について手記を書いたり、某出版社のインタビューを受けたりの“アルバイト”を幾つもやったな~/笑)。
内容についても、既にあるレベルに達している人が「その上」を目指す為の方法ばかり書かれており、勉強の「とっかかり」については何も書かれていない。自分なりの勉強方法を確立している人には新しい情報は無いし、勉強方法を確立していない人にとっては参考になる情報が無い。毒にこそならないが、全く薬にならない本。
0 件のコメント:
コメントを投稿