2015年5月9日土曜日

森 詠「日本イスラム大戦」Ⅰ~Ⅲ

森 詠 「日本イスラム大戦 Ⅰ 開戦2021」、「Ⅱ 救出作戦2021」、「Ⅲ 秘密戦2021」
(文芸社、文庫、2015/2、2015/4)

[書評] ★★☆☆☆

日本とイスラム国(ひいてはイスラム社会)とが戦争に引き摺り込まれて行く様を描いた、「ありうる日本の姿」を描いた小説。狙いとしてはトム・クランシー系のサスペンス物といったところか。中東・日本・モスクワ・その他あちこちの地域の動きがそれぞれ関連していて、それなりに読ませる。

ホットなテーマで書かれた作品ではあるが、興奮度はイマイチ。作者・森詠氏は「作家・中東問題研究家」とのことだが、2015年4月の段階で、中東の情報が既に少し古い(1,2巻は2015年2月発行、3巻は4月発行)。今既に古い情報が2021年の設定で使われているのだから「もっと違うんじゃね?」という感じ。それだけでもチョットナアなのだが、さらにタイプミス・誤変換が所々に見られ(校正担当は何やっとんのじゃというレベル)、これも興が削がれる。

話題作となるかも? と手に取った本だったが、今一つといった感じ…(暇潰しには良い本かも知れないが)

過日、イスラム文化とイスラム国(ISIL)について以下の本を立て続けに読んだせいかも知れないが、本書(1~3巻)は内容が軽いなあ、みたいな。

◆参考文献(イスラム文化、ISILについて)

  • 小杉泰「イスラームとは何か? その宗教・社会・文化」(1994/7) (Amazon拙書評)
  • 中村広治郎「イスラム教入門」(1998/1) (Amazon拙書評)
  • 池内恵「イスラーム国の衝撃」(2015/1) (Amazon拙書評)
  • 国枝昌樹「イスラム国の正体」(2015/1) (Amazon拙書評)

森 詠「日本イスラム大戦 I 開戦2021」(文芸社、2015/2/4)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4286160602/>
文庫: 284ページ
出版社: 文芸社 (2015/2/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4286160602
ISBN-13: 978-4286160603
発売日: 2015/2/4

森 詠「日本イスラム大戦 II 救出作戦2021」(文芸社、2015/2/4)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4286160610/>
文庫: 287ページ
出版社: 文芸社 (2015/2/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4286160610
ISBN-13: 978-4286160610
発売日: 2015/2/4

森 詠「日本イスラム大戦 III 秘密戦2021」(文芸社、2015/4/4)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4286163024/>
文庫: 333ページ
出版社: 文芸社 (2015/4/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4286163024
ISBN-13: 978-4286163024
発売日: 2015/4/4

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