西尾 維新「掟上今日子の家計簿」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062202700/>
単行本(ソフトカバー): 256ページ
出版社: 講談社 (2016/8/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062202700
ISBN-13: 978-4062202701
発売日: 2016/8/23
[書評] ★★☆☆☆
今年6~7月に1~6巻を一気読みした「忘却探偵シリーズ」の、第7巻。うっかりシリーズで読み始めてしまったので、惰性で購入~読んでしまった(笑)。本文中ではシャーロック・ホームズ(コナン・ドイル作)への言及が多いが、著者・西尾氏の作風は名探偵ポワロ(アガサ・クリスティ作)の影響が強いようで、叙述トリックの連発である。…と言うか、本文中にも、叙述トリックに関する薀蓄(ウンチク)もたっぷり(笑)。
- 著者・西尾氏ご本人は、本書あとがきにて、シリーズ3巻の『挑戦状』、5巻の『退職願』から連なる、『今日子さんと刑事さん』シリーズと書いているが、『挑戦状』は語り部は不在の“神の視点”(『退職願』と本作『家計簿』は担当刑事が語り部)。
- 叙述トリック…文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘う、ミステリー小説の書き方の技法の1つ。(詳しくはWikipedia等をご参照ください)
忘却探偵シリーズのここ数冊は、同著者・別作品の〈物語〉シリーズと同じように、言葉遊びが増えている。これは食傷気味。本作、良くも悪くも凡作(決してケナしている訳ではありませんが)。これで¥1,350-はコストパフォーマンスが少々悪いかも知れない(苦笑)。推理小説(探偵モノ)で刺激的な作品を書き続けるのは難しいかも知れないが、シリーズの初期設定がブッ飛んでいるので、続編でももう少しパンチの効いた作風を求めたい。…などと言うのはただの贅沢か?
ちなみに今回のタイトルの「家計簿」、内容には全然関係無さそう…?
・ ・ ・ ・ ・
先日Amazon.co.jpさんで確認したら、シリーズ8巻『掟上今日子の旅行記』(未刊、2016/11/16発売予定)に既にISBNコードが割り振られていた。また買ってしまいそう(笑)。てゆーか西尾さん、筆(現代ではキーボードかな)が速すぎです。この間に〈物語〉シリーズの最新刊『撫物語』も出ているし。どういう精神構造をしていると、これだけ多作になれるのだろうか(読む方が追いつかない/笑)。作品よりも西尾氏の方に興味があったりして(笑)。
忘却探偵シリーズ 刊行リスト
- 「掟上今日子の備忘録」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062192020/> (2014/10/15)
- 「掟上今日子の推薦文」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062194503/> (2015/4/23)
- 「掟上今日子の挑戦状」 <http://www.amazon.co.jp/dp/406219712X/> (2015/8/19)
- 「掟上今日子の遺言書」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062197847/> (2015/10/6)
- 「掟上今日子の退職願」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062199068/> (2015/12/17)
- 「掟上今日子の婚姻届」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062200716/> (2016/5/17)
- 「掟上今日子の家計簿」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062202700/> (2016/8/23)
- 「掟上今日子の旅行記」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062203766/> (2016/11/16)(※未刊)
0 件のコメント:
コメントを投稿