2017年8月27日日曜日

椎名 軽穂(著)「君に届け」既刊29巻


椎名 軽穂(著)「君に届け」既刊29巻

[書評] ★★★★★

今回は何と少女漫画です。オッサンの読むジャンルではないかも知れませんが(苦笑)、TVアニメ&実写映画にもなった有名な作品ということで。でも面白かったですよ♥

友人(ピアノ弾きのマンガ女子、以前書評に書いた「四月は君の嘘」を貸してくれた人)に「泣けるDVD貸して。出来れば人死にとか病気とかじゃないやつ(笑)」とお願いしたら、BD & DVD (実写/アニメ両方あり)をごっそり貸してくれました。
  • 新川直司(著)「四月は君の嘘」もその後BD-BOXを貸してくれました。←こちらも原作同様、目から大量の水分が失われました(ひとりで観たから思う存分ね!/笑)。
貸してもらったBD中でも特に面白かったのは、椎名軽穂・原作「君に届け」。映像作品が結構面白かった旨伝えたら、「夏の課題図書・その1」と称して原作(既刊全29巻)を貸してくれました(課題図書・その2もありましたが、これは別途書きます)。アニメは第2期までで作品は原作の10巻くらいまでの内容ですが(高2の学園祭直後まで)、原作は主人公が高校を卒業するまで話が続きます(最新の29巻では話はまだ終わっていませんが)面白く、切なく、また展開が気になって、2日間で29巻読破しちゃいました!(笑)

本作、あまりにも有名なので、紹介は不要かも知れません。学園モノで、主人公を含むメインキャラクターたちの恋愛模様が濃厚に描かれています。が、その中でも特に重要な内容をまとめると以下の4点でしょうか。
  1. コミュニケーションが苦手で友達が殆どいない主人公・黒沼爽子(くろぬま さわこ)が、クラスメイト(吉田千鶴&矢野あやね)と友達になるまで
  2. 爽子が、友達を作ったりクラスに馴染んだりする上でキーパーソンとなった風早翔太(かぜはや しょうた)に心を引かれて行き、尊敬から恋愛に感情が変わっていく過程とその結末
  3. 爽子と翔太の不器用な恋愛
  4. 爽子と翔太の進路:自分の可能性・本当にやりたいことをどう見つけるか、そして、彼/彼女と一緒にいることを選ぶか、たとえ離れることになっても自分の将来の可能性を優先するか
私自身の高校時代は、受験勉強優先で(最初は中の下くらいの成績で周りに追い付くだけでも苦労しました!)、恋愛する余裕など全くありませんでした(憧れの女の子はいましたが、友達以上の関係はバッサリ切り捨てていました;友人の中には恋愛で受験に失敗した人や、好きな子を追って進路を変えて人生変えたヤツもいましたが)。が、こういう青春もアリだったのかも知れないなぁ…と今更のように思いながら読みました。男女の気持のすれ違いの描写が秀逸です(アニメ版でも絵と音楽だけという表現技法が多用されていて印象的でした)。特に、進路選択という人生の重要な局面での恋愛の描写が印象的でした。高校卒業だけでなく、就職・転勤・転職等、人生の転機における恋愛模様にも通じるものがあるでしょう(私も…詳しくは書けませんが…大学の時にすごく悩んだものです)

本作、次の30巻が「最終章」とのこと。29巻で卒業式まで終わっているのですが、30巻で大学受験の合格発表です。もう終わってしまうのかという一抹の寂しさを感じるとともに、どんな結末が待っているのか楽しみにしています。

10年以上続いた作品。連載開始時に登場人物と同世代だった読者も20代後半です。漫画から感化を受けながらも、それぞれが自身の人生の転機や恋愛を(人によっては結婚や出産も)経験して、それでもなお読者で居続けたりしているのでしょうね。

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