2017年8月6日日曜日

小山 宙哉「宇宙兄弟 (31)」


小山 宙哉「宇宙兄弟 (31)」
<https://www.amazon.co.jp/dp/4063887340/>
コミック: 1ページ
出版社: 講談社 (2017/6/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063887340
ISBN-13: 978-4063887341
発売日: 2017/6/23

[書評] ★★★☆☆

前半は、日々人回。ロシアで無事月ミッションのバックアップクルーに選ばれる。30巻の書評でも少し触れたが、日々人に関するストーリーはちょっと都合よく展開しすぎな気がする。

後半は、ムッタ回。太陽の活動が活発化し、大気に守られていない月面は、放射線や磁気嵐のひどい影響が出る。ムッタたちが建設している月面望遠鏡「SHARON」のマザー・コンピュータを強い電磁気の放射から守るために船外活動(EVA)を行い、これが新たなトラブルの原因となったのだが(29巻から続いているストーリー)。その後、この太陽活動の影響で通信はおろか、殆どの電子機器がダウン、それに続き月面基地の電気系も全てダウン。

磁気嵐の影響で地球上の管制センターと連絡が出来ない間、ムッタら月面のクルーは、管制の指示を全く受けられない状態で正しい判断・行動が出来るのか? …これに対して、フライト・ディレクター(ハガード氏)が言った言葉、「それより我々は……“ジョーカーズ”というチームを もうちょい 買いかぶってやってもいいんじゃないか?」(p. 169)に、重み、というか組織で人を動かす人が持つべき心構え、を感じた。
  • このエピソードに限らず、このコミック、技術開発や組織運営の「あるべき姿」「実態はこうなりやすい」が明確に書かれていて、研究開発職に就いている身として共感できることが多い(それ以外の人間ドラマも勿論面白いですよ~)。

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