2013年11月20日水曜日
中森 鎮雄 (著)「世界最高の戦略家クラウゼヴィッツ―強い企業の戦法」
中森 鎮雄 (著)「世界最高の戦略家クラウゼヴィッツ―強い企業の戦法」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4766780280/>
単行本: 206ページ; 出版社: 経済界 (1987/04); ISBN-10: 4766780280; ISBN-13: 978-4766780284; 発売日: 1987/04
[書評] ★★☆☆☆
本書発行当時、日本企業に流行し始めた(著者ら経済研究所が主体となって流行させた?)、欧米流の「企業戦略」としてクラウゼヴィッツの『戦争論』を引用し、その内容を説明する為に、当時の実例を示した本。①新聞ネタを整理しただけでクラウゼヴィッツの本質には全く触れていないようにも見えるし、②何より(2013年という)現在においては内容(引用例)が古すぎる。という訳で、申し訳ないが★2個という低いレーティングとした。
昭和末期に発行された本であり、発行当時の時代背景として、高度成長期・2度のオイルショックを経、日本の経済低成率が鈍化した頃であるというのは無視できない。日本企業が貿易摩擦と円高に苦しめられ始めた時期で、それまでとは異なる経営手法を模索していた時期の本なのだ。そのような時代背景もあるのだろう。三菱総合研究所に所属していた著者が、欧米流の「企業戦略」という考え方を広める際に引用したのが、クラウゼヴィッツの『戦争論』だということになろう。
今では国内企業でも「企業戦略」は必須であり、製造業など、企業活動の中で技術開発が重要な位置を占める場合、中長期的な「技術戦略」というものが必須だ。本書に書かれている戦略策定手順は、随分とシンプルだ。この辺りは、技術戦略策定の初心者(サブマネジャークラス)の人にとって入門書として多少は価値があるかも知れないので、★は1個とせず2個とした。現在では、わざわざ入手して読むほどの本でも無いと思う。
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