久しぶりの文学作品です(笑)。
司馬 遼太郎 (著)「城をとる話」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4334733999/>
文庫: 411 p ; 出版社: 光文社 ; ISBN: 4334733999 ; (2002/11/12)
[書評] ★★☆☆☆
久々に読んだ司馬遼太郎作品。 「城の主になりたい」と思った一介の浪人が、乱世の時代、仕官することで権力を得、 民の心を掴むことで力を得、半ばゲリラ的に城の主となる話である。 存在したか否かも不明な人物を描くことで、作者の創作が光る。
城をとるまでの前段階は非常に緻密で、人生を一段一段積み上げていく展開に爽やかさ・好感が持てる。 これぞ男の生き方だ、と。 しかし、最後の段の主人公はかなり破滅的。 自分に協力してくれた人たちを巻き込み、ひたすら破滅へとひた走る。 読後には無常観、全てが無に帰した感覚だけが残る。 司馬作品にこのテの感覚は多いのだが、本作は特に読後感があまり宜しくない。
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