小林雅一 (著)「クラウドからAIへ -アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4022735155/>
新書: 247ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2013/7/12)
ISBN-10: 4022735155
ISBN-13: 978-4022735157
発売日: 2013/7/12
[書評] ★★★★☆
最近使われる/見掛ける/話題になるようになってきた、
- しゃべるスマホ(新しいユーザインタフェース)
- 自動運転車
- ロボット
・ ・ ・ ・ ・
- コンピュータの処理能力が大きく向上したこと
- 人間(を含む動物)の「知能」に関する理解が進んだこと
今熱いのは、「学習するAI」。特に、言語情報処理能力を学習するAIが今ホットだ。単なる論理的検索ではなく、より複雑な言語処理を伴う意味論的検索(「セマンティック検索」)は、既にGoogleなどの検索画面には実装されてきている。
- 私の抱えている実務上の問題を言えば、セマンティック検索に慣れきってしまっている“最近の若いモン”(笑)が、論理的検索を出来なくなってしまっていることだ。…というのは、特許検索システムは、論理的検索はソレナリに使えるが、意味論的検索はまだ使い物になっていないからだ。…まぁ、そんなことはともかく(溜息)。
このような「論理的でない情報」は、どのように処理をするのか。現段階での解答は、学習するAIを使うことらしい。このAIは、処理をした情報の量が多ければ多いほど、加速的に賢くなる。処理する言語情報は、実際にユーザが入力した文字や音声だ。これらの情報は、端末ではなくセンター側に残るので、基本的にリバースエンジニアリングも不可能という特徴を持つ。学習するAIの開発を進める上では、先に情報を集めた者が有利な立場に立ち、一旦有利な立場に立つと持続的に圧倒的優位を維持できる。だから、これらの情報を独占できる位置(モバイル・インターネットのゲートウェイ=入口)をめぐり、Apple、Google、FacebookといったIT企業の間で競争が起こっているのだ。
…といった辺りの状況を、非常に解り易く読ませてくれる。技術の進展は速いので、本書の賞味期間はかなり短そうだが、現段階では良書だと言えると思う。
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