<http://www.amazon.co.jp/dp/4479303162/>
文庫: 272ページ
出版社: 大和書房 (2010/12/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4479303162
ISBN-13: 978-4479303169
発売日: 2010/12/10
予備校講師が書いた、日本史を概観する本。人名や年号は二の次で、歴史のダイナミズムが書かれていて読み易い。
- 各時代区分(大和・飛鳥時代とか江戸時代とかの区分)毎に、その時代のキモを「1分で納得!」と題した見開き2頁にまとめ、それに続いて少し詳しく書かれた項目が続くというビジネス書に多いスタイルに好感が持てた。
- 受験対策用の詳細な情報はばっさりカット。これ以上無いのではと思えるほどシンプルに書かれている。
- 誰と誰がライバルだったのか、どういう流れで事件が起きたのか等わかりやすい。たとえば以下のくだりなど、教科書にはなかなか書かれていないストーリーだと思う。
- 伊豆に幽閉されていた源頼朝は、北条時政に監視されていた。北条市は平氏の血を引く武士だったが、どういうわけかその娘の政子と頼朝がデキてしまい、頼朝はこの北条氏を味方につけて挙兵したのである。頼朝がどう口説いたのかも気になるが、こんな結婚を認めた北条時政も、人を見る目があるものだと感服させられる。(p. 072)
- さて、関ケ原の戦いに勝利した家康は、石田三成らを処刑し、西軍の多くの大名の領地を没収(改易)した。西軍に属したものの関ケ原にはいなかった上杉景勝と毛利輝元については、領地を減らすだけにとどめた。また同じく西軍として関ケ原に参陣した島津氏は、ねばり強い交渉をおこなった結果、領地を減らされずにそんだ。ちなみに、この毛利氏と長州藩と島津氏の薩摩藩が、幕末に同盟を結んで江戸幕府を滅ぼすことになるのだ。なんという因縁だろうか。(pp. 130-131)
- 本百姓が負担する税にはさまざまなものがあるが、メインの年貢は本途物成(本年貢)で、税率はだいたい四公六民だった。生産物の40%も取られるのはどんな気分なんだろうと思うが、現在の法人税もそれくらいの税率だから、国家とはそんなものなのかもしれない。(p. 137)
- 国内政治と外圧(世界の情勢)との関係が有機的に示されている。
- 政治改革等、誰が始めて誰が引き継ぎ、どう完了したか(あるいは頓挫したか)等がわかりやすい。
ただし、
- 近年の検証により、反日勢力によるデッチアゲであったことがわかってきた幾つかの事件が、さも事実であるかのように書かれているのは残念。本書の発行が2010年なので、既に情報が古いのかも知れないが…。
・ ・ ・ ・ ・
0 件のコメント:
コメントを投稿