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2016年6月26日日曜日

日向涼子「〈坂バカ〉式 知識ゼロからのロードバイク入門」


日向涼子「〈坂バカ式 知識ゼロからのロードバイク入門」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4797384743/>
新書: 208ページ
出版社: SBクリエイティブ (2016/5/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4797384743
ISBN-13: 978-4797384741
発売日: 2016/5/7

[書評] ★★★★★

誰このキレー系女子サイクリストは?! ←表紙を見た時に最初に思った感想(笑)。筆者の本業はモデルさんだそうです。数年前に自転車(スポーツバイク)にハマり、近年はヒルクライム・レースで入賞したり、自転車界でも活躍するようになったようです。

さて、本書。最初は自転車と言えばママチャリ以外思いつかなかった女性が、ふとしたキッカケでスポーツバイクに乗るようになり、気がつけば以前は全く興味のなかったロードバイクに乗るようになり、いつの間にかヒルクライム・レースのイベントに出るのが楽しくなってしまった(海外のイベントにも行くようになった!)…という、自転車界のシンデレラ・ストーリー(?)みたいな話。ここまでで前半。

後半は、科学的トレーニングのイントロみたいな話と(ヒルクライムに特化しているけど、専門書よりずっとわかりやすい/笑)、日焼け対策等、男女問わず役立つ内容が多い。

サイクリストにとって「あるある」な話も多いし、感情移入できる内容が多いのも良い(過負荷トレーニングは体力がピークの時にやりたいけど、そうすると次までそのピーク値が標準値になるので逆にツライとかね)。あと、男性サイクリストに対して、女性サイクリストに対して気を使って欲しいポイントが書かれていたりするのも良い(女性に限らず体力差のある仲間に対して気遣うべきポイントとして読んでも良し)自転車仲間を増やしたい人の参考書として、最近の本の中では最強だと思う。内容もさわやか系+癒し系で適度にユルく、読後感も爽やか。所々に書かれたヘタウマなイラストも可愛いですよ。

過度にストイックでもなく、過度にマニアックでもない。こういう本も良いですね(筆者の日向女史はおそらくかなりストイックかつかなりマニアだとお見受け致しましたけどね/笑)。サイクリスト仲間を増やしたいそこのアナタ、布教グッズ(笑)としてもオススメですよ!!

2015年10月18日日曜日

玉井 雪雄(著)「じこまん~自己漫~ (3)完」(コミック)

玉井 雪雄(著)「じこまん~自己漫~ (3)完」(コミック)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4537133066/>
コミック: 160ページ
出版社: 日本文芸社 (2015/6/29)
言語: 日本語
ISBN-10: 4537133066
ISBN-13: 978-4537133066
発売日: 2015/6/29

[書評] ★★☆☆☆

2巻発売から1年半近く経っての3巻発売だったので、チェックが遅れました。中年サイクリストとして「あるある」な話が多く共感できる箇所は多いが、役立ちそうな情報はヘヴィー・ダイエット時の食事メニューとか、低糖質生活をしている時の注意点くらい(これらについてもキチンとした情報源に当った方が良いのは言うまでもない/笑)

本巻でのメイン話は、アメリカの自転車イベント「デス・ライド」に出るまでと、出てからの話。忙しかったとかあるのだろうが、ネガティブな話にはちょっと辟易とさせられる。出場後も言い訳めいた記述がチラホラ…。読んでいてあまり楽しくない。唯一の救いが、筆者の御嬢さんが自転車に乗れるようになり、サイクリングの楽しみを知ったという話くらいかなぁ。

1~2巻を読んだ人が惰性で読んでしまう(かも知れない)本。そうでない人は全然面白くないだろうな~(笑)。

・  ・  ・  ・  ・

既刊:

2015年4月25日土曜日

鬼頭 莫宏(著)「のりりん(11)<完>」 (コミック)


鬼頭 莫宏(著)「のりりん(11)<完>」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063545652/>
コミック: 224ページ
出版社: 講談社 (2015/4/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063545652
ISBN-13: 978-4063545654
発売日: 2015/4/23

[書評] ★★★★☆

良質な自転車マンガ「のりりん」、とうとう完結です。前巻(10巻)でレース回は終了。今回は、主人公・ノリと、ロード乗りのヒロイン・リンが、過去に出会っていた?という話です。ようやくラブコメらしくなって来ました。…が、ビミョーな所で話は終わりです。まぁこういうエンディングも悪くないですけどね。

なお、本巻では、主人公・ノリのモノローグという形で、筆者の自転車への熱い想いが訥々と語られます。乗っていない人にはわかってもらえないかも知れませんが、乗っている立場としては大いに共感できます。

「のりりん」、ホドホドにヌルいストーリーが良いです。日常の移動手段の一歩先、という位置づけで自転車(ロードバイク)の布教活動(笑)に役立つマンガかも知れません。まぁリンちゃんみたいな女子ロード乗りって現実にはナカナカいないんですけどね。

あ、女性に自転車を勧めたいという人には、本書の他にドロンジョーヌ恩田さんの本もオススメですよ~♪

2014年11月22日土曜日

鬼頭 莫宏「のりりん(10)」(コミック)


鬼頭 莫宏「のりりん(10)」(コミック)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063545466/>
コミック: 200ページ
出版社: 講談社 (2014/11/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063545466
ISBN-13: 978-4063545463
発売日: 2014/11/21

[書評] ★★★★★

大人のサイクリスト&サイクルスポーツファンのための良質なコミック、10巻です。

本巻の内容は、前巻(Amazon, 拙書評)に引き続き、草レースの後半パートです。エースとアシストの役割分担とか、逃げ集団と大集団とか、補給とか、駆け引きとか。自転車レース(ロードレース)の本質を突いた内容です。レースに出る人にも、見る人にも、「レースがもっと楽しくなる」話が盛り沢山。細かい所までスマートに説明してくれます。全然説教臭くないのも良いです。

自転車(見る・乗る)に興味を持ち始めた人から、中堅どころのサイクリストまで、幅広い層にオススメできると思います。

・  ・  ・  ・  ・

前から思っていたのですが、筆者の鬼頭さん、古い自転車(UCI規定による縛りができる前のバイク)が大好きですよね。最新のTREKのバイク&BONTRAGERのパーツ(OCLVカーボン製)も大好きなようですけど。

2014年7月30日水曜日

タイラー・ハミルトン、ダニエル・コイル(著)、児島 修(翻訳) 「シークレット・レース」


タイラー ハミルトン、ダニエル コイル(著)、児島 修 (翻訳)「シークレット・レース」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4094088016/>
文庫: 551ページ
出版社: 小学館 (2013/5/8)
ISBN-10: 4094088016
ISBN-13: 978-4094088014
発売日: 2013/5/8

[書評] ★★★★☆

ツール・ド・フランスを1999~2005年7連覇したランス・アームストロングが、ドーピング問題により、後に98年8月以降の記録を取り消され、自転車競技会から永久追放処分を受けた。本書は、長年アームストロングのアシストを務めたタイラー・ハミルトンによる暴露本。ドーピングを行っている選手の間の沈黙の掟(オメルタ)を破り、アームストロング神話を崩すキッカケになった本。

・  ・  ・  ・  ・

◆筆者(タイラー・ハミルトン氏)がどのようにドーピングに染まって行ったか
  • 自転車レース界に、ドーピングは蔓延している。
  • クリーンな状態で走ることは、ドーピングをしている選手たちに“出し抜かれ”続けていることになる。
  • レースの結果は生活に関わる。ある時点でドーピングに手を染めるか、プロの自転車選手を辞めるか選択を迫られる時が来る。
  • 特に、1週間以上続けて行われるレースでは疲労を抑え、体力を回復させるためにドーピングは非常に有効。長期間のステージレースになると、クリーンな選手は勝てなくなる。
  • ドーピングをやっている選手は“秘密結社”のようなものを作っていて、外部に情報が出ないようになっている(沈黙の掟=オメルタ=というものがある)。
  • 筆者(ハミルトン氏)が、レース結果を認められ、ランスを勝たせるための“秘密結社”の誘われた時の高揚感も書かれている。
◆ランス・アームストロング氏について
  • ドーピングをしていてもしていなくても偉大な選手だ。
  • だが、「勝って当然」という考え方は根本的に間違っている。
  • U. S. Postal Service時代からレースを100%コントロールして勝利するために手段を選ばなかった。
  • “負けるかもしれない”という不安には勝てない男だった。
◆その後のUCI(世界自転車連盟)レースについて
  • 自転車競技はクリーンになり始めている。が、残念ながら100%クリーンではない。
  • 自転車競技が勝利を切望している人間たちの営みである限り、100%クリーンにすることは、ある意味不可能だとも言える。
  • クリーンになり始めている理由として、検査の精度が高くなったこと、規則が厳格に適用されるようになったこと、「生体パスポート」と呼ばれるプログラムで選手の血液値が細かく監視されるようになったことなどが挙げられる。
  • ただし、血液ドーピング(自己輸血)の検査は依然として存在していないし、効果を抑えた(血液の各数値が大きく変動しない範囲での)少量の血液ドーピングをしている選手はいるらしい。
・  ・  ・  ・  ・

※自転車レース界におけるドーピング問題を扱った本として、P・キメイジ著『ラフ・ライド』がある(Amazon拙書評)。この頃(1990年前後)と業界の基本的な体質はあまり変わらないらしい。否、むしろ、より洗練された仕組みが出来上がっていると言えようか。

ランス・アームストロングは癌から生還した選手として有名だ。そのアームストロングがツール・ド・フランスで優勝するとなると、劇的である。チームは勿論、業界全体がアームストロングとそのドラマ(神話)を擁護し、彼が勝つレースを展開して行った様子がよくわかる。

本書によると、自転車レース業界はクリーンになり始めているが、完全にはほど遠いという。ドーピング検査に引っ掛からない範囲でのドーピング(少量の血液ドーピング等)は今後も続いてしまうのだろう。また、新たなドーピング方法が“開発”され、より巧妙になって行く可能性も否定できない。

勝利を求める人間が多く関わり、ショービジネス的な側面をも持つ自転車レースにおいて、これは避けられない問題なのだろう。『ラフ・ライド』と『シークレット・レース』、この2冊で自転車レースの見方が大きく変わってしまった。自転車レースは、レース結果を出しつつ、ドーピングに引っ掛からないようにうまく立ち回るという、“新種のゲーム”であるのかも知れない。

純粋な体力と精神力の勝負でないことが明らかになった今、10年前と同じ視点では自転車レースを楽しめなくなってしまった。

2014年7月6日日曜日

鬼頭 莫宏 (著)「のりりん(9)」(コミック)

今回はコミックです。前回のレビューから間(ま)が空いてしまいましたが、…現在、ちょっと「堅めの本」を数冊読んでいてレビューに至っていません。なので、今回は軽めの本(コミック)です。

鬼頭 莫宏 (著)「のりりん(9)」(コミック)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063545148/>
コミック: 200ページ
出版社: 講談社 (2014/5/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063545148
ISBN-13: 978-4063545142
発売日: 2014/5/23

[書評] ★★★★★

本巻は競技用自転車でのレース回です。草レースです。TT(タイムトライアル)とエンデューロ(数時間の耐久レース)です。MTB・ロード等の自転車の種類を問わず、出場したことのある人にとっては「あるある」な内容。これから出てみようかな、な人には「ナルホド~」な内容。

「のりりん」全巻に言えることなのですが、説経臭くなく色々な知識を教えてくれるのが良いです。で、自身サイクリストの人が読むと、共感できる箇所が多かったり。

自転車漫画としては勿論、サイクリストへの教科書としても優れていると思います。

以下、私が大いに共感した箇所(台詞抜粋、8巻・9巻より):

  • 仕事なら命を懸けてもいいとは思わんが、趣味で命を懸けるのは絶対にやっちゃ駄目だ。時々どんな事でも命懸けてやれみたいに言う輩(やから)がいるが、そういうヤツはペテン師だよ。そいつはそう言って責任を取る気はないからな。
    (8 巻・p. 11)
  • 趣味は人生を豊かにする為(ため)のものだからな。どんなにカッコ悪くても無事に家に帰るのが一番カッコ良いことだよ。
    (8 巻・p. 11)
  • 草レースだから、わざわざそれ専用のTT フレームを用意するなんて大袈裟(おおげさ)な感じもするけど、草レースはお祭りみたいなものだからね。本気の大人の遊びよね。
    (9 巻・p. 64)
  • 遊びだからな、死ぬ気で行っても死にゃしねえ時は死ぬ気で行け。エントリー代払ったんだ。その分苦しんで楽しみな。
    (9 巻・p. 96)

2014年1月22日水曜日

玉井 雪雄 (著)「じこまん~自己漫~(2)」(コミック)


玉井 雪雄 (著)「じこまん~自己漫~(2)」
コミック
出版社: 日本文芸社 (2014/1/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4537131233
ISBN-13: 978-4537131239
発売日: 2014/1/18

[書評] ★★★★★

自転車漫画を書く漫画家が、自身の自転車噺を描いたコミック、その2。この作者による自転車漫画「かもめチャンス」は、昨年9月に完結。

1巻は初めて自転車(特にロードレーサー)に乗るようになった話が中心だったが(拙書評)、2巻は、ある程度走れるようになったサイクリストにとっての快適グッズ、マナー、レースを観る楽しみ等について描いている。絵や文字数は1巻ほど濃くないかな? 結構読み易い。

1巻に続き、2巻でも交通ルールやマナーの話がしっかり描かれている。作者・玉井氏が、自身の自転車生活で痛切に感じていることなのだろう。また、乗り始めたばかりの人がよく陥るコト(「自転車黒歴史」)とかも書かれており、今回も作者の良心を感じた。

大人のサイクリスト全てにオススメできるんじゃないかな?

それはそうと。玉井氏がよく走っている千葉エリアのコース、私とかなり重複しています。どこかで見掛けたりしているかもなー、みたいな(笑)。(走っている時、他の人の顔なんか見ちゃいませんけど…でも、バイク(フレーム)とかパーツはガン見しているんですよね。/笑)

・  ・  ・  ・  ・

本書を買うため、発売日の1/18(土)に書店をハシゴしてしまった。自宅から気楽に自転車で買いに行ける店(寒いので半径10km以内ね/笑)には置いてありませんでした。結構マニアックな漫画だからなぁ(笑)。Amazon.co.jp等の通販を使わずに店舗を回ったのは、それだけすぐ読みたかったから。エンゾ早川氏の本みたいな変な中毒性があるのかも知れない。

2013年12月11日水曜日

近藤 史恵 (著)「キアズマ」


近藤 史恵 (著)「キアズマ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4103052546/>
単行本: 301ページ; 出版社: 新潮社 (2013/4/22); 言語 日本語; ISBN-10: 4103052546; ISBN-13: 978-4103052548; 発売日: 2013/4/22

[書評] ★★★☆☆

「サクリファイス」から続くシリーズ4冊目の最新刊。前3作がプロの自転車ロードレース選手を中心とした話だったのに対し、本作は大学の自転車部が舞台となっている。これまでの作品が、主人公らが自ら死と向かいあっているのに対し、本作では、関係者(主人公ではない)が死と向かいあっている。心理描写の細やかさは従来通り。

同じ自転車スポーツを舞台とした川西蘭(著)「セカンドウィンド」シリーズより話は重いものの、これと似た爽やかな読後感がある。今回はシリーズでこれまで続いて来たサスペンス的要素が無いので、それのような展開を期待しながら読むと、肩透かしを食うかも知れない(ちょっと物足りなさも感じる)。

自転車競技の入門者が経験する様々なことが書かれていて、シリーズの過去3作がプロレーサーの話で、読者は「レースを見る人」に近い立場で読み進めるのに対し、本作では「自転車に乗る人」」としての感情移入をすることになる。

適度な展開スピードで読み易い。自転車スポーツに興味のある人ならば(という条件が付いてしまうので評点は満点には出来ない)、楽しく読めるだろう。

2013年12月4日水曜日

玉井 雪雄 (著)「じこまん~自己漫~ 1」 (コミック)


玉井 雪雄 (著)「じこまん~自己漫~ 1」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4537129557/>
コミック: 154ページ; 出版社: 日本文芸社 (2012/11/17); ISBN-10: 4537129557; ISBN-13: 978-4537129557; 発売日: 2012/11/17

[書評] ★★★☆☆

自転車漫画「かもめチャンス」の作者が、自身が自転車を始めたきっかけとハマり具合を面白おかしく描いた漫画。内容は濃い。読むのが疲れる位、濃い。限られたスペースに、絵がぎっちり。字数も多い。

自転車乗りが読むと「そうだよね~」と同感できる内容が多い。笑える所もあちこちにある。
他の自転車漫画・書籍に滅多に書かれない、事故や怪我の話がしっかり書かれている辺り、作者の良心?を感じる。しかし、内容は色々な意味でギリギリのものが多い。自転車乗りでない人が読んだら引いてしまう点は少なくないだろう。そういう意味で、自転車布教活動には「使えない」漫画。

内容は悪くなし、それなりに面白い。が、万人向けではない。まぁ、自転車乗りの人が、自分のサイクルライフと比較して読むの向けだろう。

2013年12月1日日曜日

鬼頭 莫宏 (著)「のりりん(8)」 (コミック)

 

鬼頭 莫宏 (著)「のりりん(8)」(講談社、2013/11/22)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063524876/>
コミック: 200ページ; 出版社: 講談社 (2013/11/22); 言語 日本語, 日本語; ISBN-10: 4063524876; ISBN-13: 978-4063524871; 発売日: 2013/11/22

[書評] ★★★★☆

今日はコミックです。最近人気が出てきたらしい自転車漫画「のりりん」の最新巻です。

今回も楽しく読みました。前巻までに、ツーリング、ヒルクライム~ダウンヒルと、自転車乗りが経験する(ことが多いであろう)イベントがありました。本書では、集団走行の話が出てきます。やったことがある人にとっては「あるある」だし、経験が無い人が読むと「へぇ、そうなんだ」になると思います。

自転車ネタ以外のストーリー展開は、正直少し物足りないかもですが(ラブコメ的な展開はアッサリとスルーしてしまう/笑)、「サイクリングを楽しもう!」と思わせる所は満点を献上したいです。

サイクリスト(特に初心者)が守るべきコトや、知っておいた方が良いことなど、結構詳しく書かれています。それでいて、あまり説教臭くないのが良いです。そして、それらの内容は、巻を追うごとに段々レベルアップしてきています。昔は新人勧誘用の文献は「シャカリキ!」とかの体育会系の物でしたが、「のりりん」はユルめで、今の時代にマッチしているでしょう。

自転車にチョット興味あるんだけど、どうしよっかな?…な人にもおススメですよ♪

2013年11月24日日曜日

近藤 史恵 (著)「サヴァイヴ [単行本]」


近藤 史恵 (著)「サヴァイヴ [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4103052538/>
単行本: 234ページ; 出版社: 新潮社 (2011/06); ISBN-10: 4103052538; ISBN-13: 978-4103052531; 発売日: 2011/06
[書評] ★★★☆☆

サイクルロードレースの世界選手権大会に日本代表として出場する選手を中心とした数人について、それぞれ関わりのある複数のエピソードからなるサスペンス小説。テンポよく読ませるし、読者をグイグイ引き込む力を持った作品だ。必要以上の言葉を使っていないのだが、状況や各登場人物の気持ちの描き出し方が光っており、途中までつい、単なるドラマだと思って読んでしまった。が、突然、本シリーズはサスペンス作品だということを思い出される。
 本作品でのテーマは、八百長ドーピング。非常にタイムリーな話題だ(特に後者)。本作品では、どのように自転車スポーツ業界が腐敗して行くのかを描き出す。特に、腐敗しつつある業界の中で、当事者たる選手たちの心理描写は非常に魅力的。

  • 才能や人気のある若手を祭り上げることなら、どのスポーツだってやっている。どこまでなら許されるのか、どこが越えてはいけないラインなのか。俺たちは怪我と隣り合わせで走っている。ひとつ間違えば、死ぬことだってあり得る。それでも取り替え可能な部品に過ぎないのだろうか。 (本書p.195より)

などは、選手側としての悲痛な心の叫びだろう。モラルが無くなりつつある現代ビジネス社会において、組織の歯車の1つに過ぎない我々はこういった辺りに強い共感を感じるのだ。元プロロード選手ポール・キメイジ氏がドーピングについて訴えた本、「ラフ・ライド」(Amazon拙書評)を読んで日が浅かったこともあるが、ガツンとやられた感じがした。

ただ、本書が結末らしい結末が無く、問題提起のみで終わっており、読後感があまりスッキリしない(というのは私の勝手な意見だが)。「もう嫌、こんなスポーツ!」と思わせてしまう感すらあり。なので、勝手ながら少し減点、★3つとさせて頂く。

・・・・・・

書き方のスタイルは、本作に至るまでのシリーズ作「サクリファイス」(Amazon拙書評)、「エデン」(Amazon拙書評)と同様だ。各エピソードの主人公(選手)の視点から描いている。本作品では、日本国内と海外の両方が舞台となっていて、この描き出し方が全然違うのが非常に面白い。たとえば、日本国内の描き出し方は、基本的に1文が短い。文と文の間の論理的繋がりはあまり明示されていない。「ポツン、ポツン、…」と短い状況説明や台詞を並べる手法を効果的に用いている
(読者はその間を自動的に補って読んでいる)。人物同士の会話など、多少ブッキラボウに過ぎるのではないかという程だ。海外の描き方と比較すると、昭和の映画のようなイメージだ。恐らく、彼等の会話は(今の我々の普通の会話よりも)訥々としており、会話スピードも速い。

これに対し、海外の場所や人物の描き方は、流れるように描かれている。現地に行ったことがない人にも非常にイメージしやすい描き方をしている。

  • ポルトガル人らしく、2Bの鉛筆でぐりぐりと描いたような濃い顔立ちをしている。眉も髪も黒々としているが、日本人の黒とはその線の太さが違う。(本書p.216より)

等、所々にコミカルな描き方もあり、読んでいて楽しい気持ちにさせる。ツールやジロといった海外の有名なレースに時々出てくるような地名が多く、私のような自転車ファンには場所やイメージがつかみやすい。単なるサスペンス小説ではなく、本シリーズがテーマに用自転車スポーツのファンも満足させる作りになっている。

本シリーズの次の作品、「キアズマ」も既刊となっている(Amazon)。早く読みたい。

2013年10月12日土曜日

ポール・キメイジ「ラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランス」


ポール・キメイジ (著), 大坪 真子 (翻訳)
「ラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランス」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4915841863/>
単行本: 348ページ; 出版社: 未知谷 (1999/05); ISBN-10: 4915841863; ISBN-13: 978-4915841866; 発売日: 1999/05
[書評] ★★★★☆

昨年、自転車界は大いに揺れた。ツール・ド・フランスを1999~2005年7連覇したランス・アームストロングが、ドーピング問題により、後に98年8月以降の記録を取り消され、自転車競技会からの永久追放処分となったのだ。これについては、タイラー・ハミルトンによる“あの本”に詳しい。ハミルトンの本も早速購入したのだが、ドーピング問題の根深さ、今と昔を見るために、ハミルトンの本より先に本書を読んだ、というわけだ。

さて、本書の著者についての簡単な説明。本書の奥付より引用:
  • 本書の著者、ポール・キメイジ(Paul Kimmage)は1962年ダブリン生まれ、父もアイルランド代表となった自転車競技選手。10歳でレース用自転車を与えられるとメキメキ頭角を現わし、'81年アイルランドチャンプとなりアマチュア生活に入る。'84年渡仏、'85年プロデビュー、翌'86年ツールを走り完走。選手として走る傍ら、レース日記を各紙に発表。'89ツールを第12ステージでリタイアし、そのまま選手生活にも別れを告げ、スポーツライター、ジャーナリストとして再出発し、現在に到る。引退の翌'90年本書を発表。薬物に関する告白等あまりのインパクトに当時は本書自体がタブー視され絶版となる。昨今のドーピング問題の表面化に伴い、早過ぎた本書が'98年に再刊され、話題を呼んでいる。
◆国内トップ選手→プロになってもただのアシスト選手、という悲哀

ツール・ド・フランス。世界中のトップ選手が集まり、世界最高峰のレースを見せる。20ほどのチーム、全部で200人前後の選手がスタートをする(出場チームの数や1チームの人数は時々変わる)。世界中の数億人のファンが見ているとも言われ、オリンピックやワールドカップに並ぶ、世界のスポーツの祭典である。

しかし、その中で脚光を浴びるのは、ごく一部の選手だけだ。アマチュア時代に国内トップだった選手が、世界をステージにした途端、末端の選手になってしまう。

プロになった瞬間、チームに貢献することを求められ、多くの場合、チームの最有力選手(エース)を勝たせる為に働くことを要求される。彼らは、エース選手のペースメーカーになり、風除けになり、水や食糧を運搬する係となる。エース選手がパンクした場合にはタイヤを譲ることさえある。しかし、こうした姿は放送されることは殆ど無いし、そういった知られざる選手が出場選手の大部分なのだ。

トップ選手も同様だが、アシストの選手にも、体調が良い日もあるし、悪い日もある。来年もプロとして飯を食う為に、大きなレースでチームに貢献する必要があるし、大きなレースへの出場枠を取る為に、小さなレースでも良い成績を残す必要がある。

※プロになった意識、渡欧した際の心情、グランツールに出た感激、1アシスト選手としての悲哀については、近代ツール・ド・フランスに日本人として初出場した今中大介さんによる、「ツールへの道」(未知谷、2000/06)にも詳しい。

◆薬物について

著者キメイジは、子供の頃からの躾によるものか、宗教観によるものか、それとも善悪に対する独自の判断基準からか、とにかく薬物というものに対して強い拒絶を示していた。プロになった当初から色々な薬品を使っている選手は目にしたが、自分だけは絶対に手を出さない、と決めていた。「プロとしてどうか?」という観点からは色々な意見があろうが、「善人であろうとする1人の人間」として見ると共感出来る。最初はビタミン剤など、ごく普通のサプリメントにまで拒絶感を示した位である。

そのうち、経口摂取するビタミン剤などは摂るようになるのだが、注射に対しては、薬物については勿論、ビタミン・ミネラルの類であっても強い嫌悪感を抱いていたことを書いている。これは著者が無知であったことを示すものでもあるが、本人なりに「越えてはいけない一線」を持っていたことは確かだろう。

なお、著者キメイジは、'87ツールをリタイアした後、この「一線」を越えてしまった経験についても書いている。クリテリウムに出場する際にアンフェタミンを4回使用した(そして、その後は全く使っていない)とのこと。アンフェタミンを使用した際の昂揚感、走る上での「効果」、その後の罪悪感。

◆そもそも、自転車競技で何故、ドーピング問題がこうも度々噴出するのか。

理由を挙げればそれこそキリが無いのだろうが:
  • そもそも、自転車レース自体が過酷すぎて、多くの選手にとって、薬物無しでは「やってられない」。
  • 上手に使えば薬物の使用は発覚しにくい:
     薬物を使うタイミングや量もそうだが、日々のレースの勝者と総合成績上位者以外に対するランダム検査が無い日が事前に明らかになってしまっている。エースを勝たせる為のレースをしているので、アシスト選手がよりよい働きを見せる為に薬物を使用しても(チームの外へは)発覚しにくい。また、ホルモン剤など、用法・容量を間違えると悲劇的な結末を招くものであっても、白黒の判定をつけにくい(判定しにくい)薬物があったり、カフェインのように“適量”ゾーンが非常にグレーな物もある。
  • 自転車競技(ロードレース)がチームレースであり、単純な1対1の勝負でなく、色々な駆け引きがあり、勝負の流れが非常に複雑である:
     レースでの最大目的はチームのエースを勝たせることであるが、アシスト選手の力が不十分な時などには、賞金の分け前を餌に、他チームの選手と取引することもある。このことが、ロードレースを、単純なスポーツから複雑なものにしている。そして、選手は「カネ」の為に、身を粉にして働き、場合によって薬物にも手を出すのである。
  • チーム内に薬物使用に対して寛容な雰囲気がある場合、エースを助ける為にアシストが薬物を使うことを半ば強要するような空気が起きることがある。
  • レース主催者、当事者(選手・監督・レース関係者)、スポンサー等のカネの流れがある:
     レースが純粋なスポーツの最高峰であるという側面よりも、ビジネスの側面が強いということ。つまり、そこにカネが動く限り、内側の人たち(チームスタッフ、スポンサー、レース主催者)はドーピングを隠蔽する構造になっているということ。
さて。

薬物使用について、表向きは、
  • ドーピングは短期から長期に及ぶ副作用が選手の心身に悪影響を与えることが知られていて、単に競技の公平性を担保する目的のみならず、競技者等の安全も目的として禁止されている。
ということになっている。しかし、実態は、
  • 選手は競馬馬、あるいはサーカスで曲芸をやらされる動物のような存在(つまり見世物)であり、スポーツというより寧ろショービジネスとなっている

と言えるのではないだろうか。この辺りの構造を根本的に変えない限り、ドーピング問題は決して無くならないだろう。

なお、特記しておくべき点がある。ツール・ド・フランス(を始めとするUCI公認レース)では、今でこそ、禁止薬物の仕様が発覚した場合には半年~1年のレース参加禁止、最悪の場合は自転車競技界から追放となっているが、80年代半ばまでのツール・ド・フランス(を始めとする自転車競技)でのペナルティは総合タイムへの加算程度であった。こういった過去の経緯も、当事者(特に選手を卒業してレース関係者となった人たち)の意識の低さの原因ともなっていよう。

◆本書が発表当時叩かれた理由

本書は、誰がクロで誰はシロと、ハッキリとは書いていない。自分が「一線を超えた」経験は書いているが、他人については特定しない書き方をしている。ただ、筆者が所属していたプロチーム・RMOは薬物使用に対して拒絶的ではないことが分かるし、他チームも含め、多くの選手が薬物使用の現実を知っていたことを書いている。

自転車選手全てが薬物を使用したとは書いていない。しかし、薬物を使用していた側から見れば、そう読めるのかも知れない。

また、自転車界(主催者・選手・レース関係者・スポンサー、他)は業界がダメージを被ると判断し、叩いたのかも知れない。

いずれも、外側のさらに外側の素人が見た主観に過ぎないが。

◆その他、雑感など

今でこそ有名選手がTwitterやブログで日々のトレーニングの状況、参戦状況などを「実況」してくれているが、本書は(特にツール・ド・フランスに関するくだりは)日記調で書かれており、生々しい話が読める。文章も読み易く、ファンとしては嬉しい限り。

ところで、著者キメイジは、当時から一部のチームでは当然のように行なわれていた組織によるケアや科学的なトレーニングをあまりしていないように読める。そのような選手が(エースにはなれなかったとしても)、22歳で渡仏した翌年から5シーズンにわたりプロ生活を送ることが送ることが出来た、というのは驚異に値すると思う。

あと、これだけ薬物が蔓延している(ように読める)のを知ってしまうと、自転車レースの観戦が面白くなくなってしまうのも事実だろう。1日、絶不調で走っていた選手が、翌日絶好調でステージ優勝してしまう様子など、放送当時は「奇跡的なパフォーマンス!」と感激してTV観戦していた(私も随分子供だったと思う)、本書を読んだ後にそういう映像作品を見ると、「コイツ、ヤッてるんじゃねぇか?」と疑いの目で見るようになってしまう。

そういう見方しか出来なくなったら、素直に「楽しくない」よね。そういう疑惑を向けられた選手と同じブランドの自転車に「乗りたくない」よね(10年位前はサイクリングをしているとそこら中で見られた「TREK」社製ロードバイク、最近は全然目にしなくなりました)。翌シーズンの自転車レースもTV観戦しなくなるかも知れない。自転車雑誌も読まなくなるかも知れない。

憧れていた選手が、もしサーカスの象や火の輪くぐりをするトラたちと同じ存在だとしたら? 100年の恋(?)憧れ(?)も醒めるよね。同じように走りたいと思わなくなるよね(まぁ実力的には「同じ走り」はまず無理なんですけど、格好だけでも同じように走りたいというのがファンの心情でしょう)

まぁ自分の場合、(年齢的なものもあって)「競技」としての自転車ではなく、「楽しみ」としてのサイクリングは当分続けますよ。でも、新しハードウェアとかを買う意欲は、正直、ダダ堕ちですね。

こうやってファンが離れて行くんだなあ。。

2013年8月26日月曜日

川西蘭「あねチャリ」

川西 蘭 (著)
「あねチャリ (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/409386263X/>
単行本: 258ページ; 出版社: 小学館 (2009/11/30); ISBN-10: 409386263X; ISBN-13: 978-4093862639; 発売日: 2009/11/30
[書評] ★★★★☆
 話の展開がチョット強引というか、荒唐無稽というか、 そういうものは感じるんだけど。 でもテンポ良く読ませる。 いいね。

2013年8月25日日曜日

川西蘭「セカンドウィンド(3)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド 3 [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4093862753/>
単行本: 445ページ; 出版社: 小学館 (2010/6/30); 言語 日本語; ISBN-10: 4093862753; ISBN-13: 978-4093862752; 発売日: 2010/6/30
[書評] ★★★★☆
 「セカンドウィンド」「セカンドウィンド2」の続編。 文庫版はまだ出ていないので、待ちきれずに単行本を購入してしまった。

 主人公・溝口洋が南雲学院高校で新3年生に進学し、 自転車部のキャプテンになった。 前々作・前作に続き、爽やかに読める1冊。

2013年8月24日土曜日

川西蘭「セカンドウィンド(2)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド (2) (ピュアフル文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4861765145/>
文庫: 420ページ; 出版社: ジャイブ (2009/1/10); ISBN-10: 4861765145; ISBN-13: 978-4861765148; 発売日: 2009/1/10
[書評] ★★★☆☆
 前作の続編で、前作同様、爽やかな読後感。 テンポも良い。
 サイクルスポーツに興味のある人は読んでみて良いだろう。 ただ、自転車競技(に限らず全てのスポーツ)に存在するダークな面が 殆ど書かれていない点が浅薄に感じられる。 主人公は高校生なので、あまりダークなことを書くのもどうかとは思うが、 もう少し深みのある書き方でも良いかも知れない。 …って、ただの青春スポーツ小説に多くを求めすぎか?
 なにはともあれ、気楽に読める1冊として良い。

2013年8月23日金曜日

川西蘭「セカンドウィンド(1)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド 1 (1) (ピュアフル文庫 か 2-2) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/486176453X>
文庫: 418ページ; 出版社: ジャイブ (2007/11); ISBN-10: 486176453X; ISBN-13: 978-4861764530; 発売日: 2007/11
[書評] ★★★☆☆
爽やかな青春小説。 自転車に夢中な少年が、その道にどんどん入って行く過程を描いている。 少々厚めの本だが(文庫本で400ページくらい)、 テンポ良くあっという間に読める。 同じ自転車小説でも、近藤史恵・著「サクリファイス」や 斎藤純・著「銀輪の覇者」とは異なり、 スポーツの暗い面があまり出てこないのが爽やかでもあり、 (ツール・ド・フランス等でののドーピングスキャンダルを知っている 読者にとっては)若干物足りなくも感じる面も否めないが、 まぁ青春小説ということで、コレはコレで良いのだろう。

2013年8月21日水曜日

高千穂遥「ヒルクライマー」

高千穂 遙 (著)
「ヒルクライマー (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4093862478/>
単行本: 288ページ; 出版社: 小学館 (2009/7/23); ISBN-10: 4093862478; ISBN-13: 978-4093862479; 発売日: 2009/7/23
[書評] ★★☆☆☆
 ソレナリに面白いんだけど、んー、何かね。 登場人物のドロドロした人間模様の描き方がチョットいただけない。 売れっ子作家が売れる本にしようとして、こんなストーリーにしたのかも知らんがねえ。チョット安易すぎねーか?

2013年8月20日火曜日

斎藤純「銀輪の覇者」(上・下)

 
斎藤 純 (著)
「銀輪の覇者 上 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150308993>
文庫: 346ページ; 出版社: 早川書房 (2007/8/25); ISBN-10: 4150308993; ISBN-13: 978-4150308995; 発売日: 2007/8/25
斎藤 純 (著)
「銀輪の覇者 下 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150309000>
文庫: 395ページ; 出版社: 早川書房 (2007/8/25); ISBN-10: 4150309000; ISBN-13: 978-4150309008; 発売日: 2007/8/25
[書評] ★★☆☆☆
 昭和初期に自転車プロレースが行われたという設定での物語。 胡散臭い人たちが一攫千金を狙ってレースに出場するが、 自転車レースの心得のある人はごく一握り、あとはロクでもない連中ばかり。 主催者側も、帝国軍に自転車を採用してもらうための活動としてレースを利用。そんなレースで、自転車はいわゆる「実用車」。さて、レースの展開は…?
 後半のテンポの良さは良いが、 前半は登場人物の正体やレースに出た背景もよくわからないまま、メインストーリーの間で所々に背景説明のストーリーが挿入される。
 筆者の斎藤氏は自転車レースの経験が無いばかりか、 自転車で長距離を走ったことも無さそうだ。 舞台設定にチョット無理があるのと、登場人物の胡散臭さ・非現実性に加え、 自転車に乗っている人たちの描写にもリアリティに欠けるものを感じてしまう。 人間物語として読めば、まぁそれなりに面白くはあるのだが。。。

2013年5月18日土曜日

近藤史恵「エデン」

近藤 史恵 (著)
「エデン」
<http://www.amazon.co.jp/dp/410305252X/>
単行本: 250ページ; 出版社: 新潮社 (2010/03); ISBN-10: 410305252X; ISBN-13: 978-4103052524; 発売日: 2010/03
[書評] ★★★☆☆
「サクリファイス」の続編。 前作に続き、スピード感のある書き方で読ませる。スポーツ自転車に乗る人や、サイクルスポーツの観戦が好きな人には面白い1冊だと思う。

2013年5月12日日曜日

近藤史恵「サクリファイス」

近藤 史恵 (著)
「サクリファイス (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4103052511/>
単行本: 245ページ; 出版社: 新潮社 (2007/08); ISBN-10: 4103052511; ISBN-13: 978-4103052517; 発売日: 2007/08
[書評] ★★★★★
 プロの自転車チームとレース活動を舞台にしたミステリー小説。 読者をぐいぐいと引きつける力がある。あっという間に読みきってしまった。 自転車レースに興味のある人は勿論、そうでな人が読んでも面白いと思う。ただ単に面白いだけでなく、自転車レースに関しても深く理解できるようになる。 今まで、自転車レースを知らない人に、チーム内のエースとかアシスト選手の関係、レースの駆け引き、等々の説明をするのは難しかったが、この本は、チーム編成やレース展開に合わせて、ストーリーの中で自転車レース独特のルールや世界観がきっちりと説明されているので(物語の流れを断つことなく巧く説明しているのは非常に上手だと思う)、 自転車初心者にもオススメできる。
 スポーツ小説としてもミステリー小説としても一級品。 自転車レースに興味のある人がいたら、是非オススメしたい。