宮崎 駿 (著)
「出発点―1979~1996 (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4198605416/>
単行本: 580ページ; 出版社: スタジオジブリ (1996/08); ISBN-10: 4198605416; ISBN-13: 978-4198605414; 発売日: 1996/08
[書評] ★★★★☆
スタジオジブリの宮崎駿さんの雑誌への寄稿文や、対談を集めて1冊の本としたもの。 宮崎駿さんという人の世界観・価値観がわかり、宮崎映画(ジブリ映画)のファンとしては、 非常に興味深い。 宮崎駿さんは、アニメーターとしての才能にも勿論恵まれているんだと思うが、 工夫と努力の人だと思った。また、論理的に作ったものを「大脳皮質で作ったもの」と表現し、 本当に良い作品は、大脳皮質だけでは作れないと言う。 良い作品を作るのに必要なのは追い詰められることで、 追い詰められた時に、無意識の部分で答が出されると言う。この辺りは、アーティストというかクリエイターというか、そういう人に共通のことなのかなぁと思いつつ、 映画を作る最良の方法はひとつしかないはずで、それにより近い方法を見つけていく作業が映画作りだと言う。 「映画は映画になろうとする。作り手は実は映画の奴隷になるだけで、 作っているのではなく、映画に作らされている関係になるのだ」(p.556より)というのが面白いなと思った。
また、アニメーション作りというのは多くの工程からなる共同作業であり、その共同作業に関するくだりは一般企業に勤める普通の会社員にも非常によく分かる。
宮崎映画のファンで、宮崎駿さんのものの見方・考え方に興味のある人にはお薦めの1冊だと思う。
前回まで海堂尊「チーム・バチスタ」シリーズが続きましたが、今回はちょっと小休憩。アリアドネの弾丸(文庫版、上・下)とかもあるのですが、まだ「積読」状態なのでした…。
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