福岡 伸一 (著)
「世界は分けてもわからない」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062880008/>
新書: 288ページ; 出版社: 講談社 (2009/7/17); 言語 日本語; ISBN-10: 4062880008; ISBN-13: 978-4062880008; 発売日: 2009/7/17
[書評] ★★★★☆
「生物と無生物のあいだ」でベストセラーを出した福岡氏の新刊。 後半4割程度を、ガン細胞に関わる酵素反応の解明に関わるコーネル大学でのデータ捏造事件に割かれているが、それ以外は、雑多なことがらをいろいろ書いている。 分子生物学者の散文、エッセイという感じだ。 受精卵から作られる万能細胞(ES細胞)が癌化しやすく、 臨床試験までの道のりが長いという話はニュースで知っていたが、この具体的な話が読めただけでも興味深かった。
「生物と無生物のあいだ」もそうだったが、福岡氏は読ませる文章が得意のようだ。 本書もテンポ良くそして歯切れ良く、興味深い話が尽きない感じだ。
いわゆる「一発屋」で終わってしまう作者・作品が多い中、 本書は福岡氏がそうではないことを示している。(他にもヒット作が多数あり、単なる一発屋でないことは確かなのだが。)
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