姜尚中・一色清・依光隆明・杉田敦・加藤千洋・池内了(著)「「知」の挑戦 本と新聞の大学 Ⅰ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4087206777/>
新書: 224ページ
出版社: 集英社 (2013/2/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087206777
ISBN-13: 978-4087206777
発売日: 2013/2/15
姜尚中・一色清・中島岳志・落合恵子・浜矩子・福岡伸一(著)「「知」の挑戦 本と新聞の大学 Ⅱ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4087206785/>
新書: 256ページ
出版社: 集英社 (2013/2/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087206785
ISBN-13: 978-4087206784
発売日: 2013/2/15
[書評] ★★★☆☆
朝日新聞出版雑誌統括・一色 清 氏と、東大名誉教授・姜 尚中 氏が司会を務めた講演・対談集。ネット化・デジタル化の進行で斜陽化が叫ばれる新聞・出版業界と、少子化により転換が迫られる大学に出来ることを中心とした、文化論が大テーマ。本書において本は「干もの」、新聞は「生もの」であり、「知」を養うには、双方からバランスよく情報摂取する必要があると説く。
目次は以下の通り。各講演者の説明を書くと長くなるのでWikipediaへのリンクを付けておく。 ※依光氏(朝日新聞編集委員)はWikipediaにエントリが無かったが、代表作「プロメテウスの罠」のエントリがあったのでこのリンクを付けておく。
第1回: 日本はどうなる? (一色清+姜尚中 基調対談)
第2回: 私的新聞論 ― プロメテウスの罠 (依光隆明)
第3回: 政治学の再構築に向けて (杉田敦)
第4回: 2020年の中国 ― 世界はどう評価するか (加藤千洋)
第5回: 科学と人間の不協和音 (池内了)
第6回: 橋下徹はなぜ支持されるのか (中島岳志)
第7回: OTHER VOICES・介護の社会学 (落合恵子)
第8回: グローバル時代をどう読むか ― 地球経済の回り方 (浜矩子)
第9回: 科学と芸術のあいだ (福岡伸一)
第10回: 日本のこれからを考える (一色清+姜尚中 対談)
講演時期が3.11の約1年後(2012年4月~7月)、出版時期も2013年2月と時間が経ってしまっており、一部賞味期限切れの内容もあるが、
- 少子高齢化の進む中の民主主義のあり方
- 「大きな政府」と「小さな政府」との間でのバランスのとり方
- 今後必要になる資本主義への修正(市場原理だけに任せない)
- 不安定化する世界経済に対する中央銀行の働き方
- 科学信仰、技術振興への警告
- 中国に関する未来予測
万人にオススメできる本かどうかは判断を保留したいが(苦笑)、世の中を見る目を養ってくれる本だと思う。
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