<http://www.amazon.co.jp/dp/4822740315/>
出版社: 日経BP社 (1995/9/26)
ISBN-10: 4822740315
ISBN-13: 978-4822740313
発売日: 1995/9/26
[書評] ★★★★☆
経営書として一世を風靡した本。細かな紹介は不要だろう。
時代を超えて存続し続ける会社組織について、その共通点を調査してまとめている。数十年経って市場環境が大きく変動しても、企業が偉大な企業として存続するための重要なポイントとして、
- 企業の存在理由を明確にすること
- 組織として進歩を促すための仕組みづくりをすること
- 報酬体系をはじめとし、会社組織・制度の全てを合目的的にし、矛盾をなくすこと
- 社運を賭けた大胆な目標(Big Hairy Audacious Goals: BHAG/ビーハグ)
※本書の中で「ビジョナリー・カンパニー」とされている企業のうち数社は、その後、主要事業を売却する等大きな変化も起きている。が、20年近く前の本なので致し方ないだろう。事例が古いのは否めないが、現在でも充分通用する内容が多いと思う(我々により身近なトヨタvs.日産等を念頭に置いて読んでも良いだろう)。
なお、以下の点については留意が必要である。本質を見落として表層だけ・一部だけを真似ようとすると、十中八九、以下の罠に陥る。つまり、企業は従業員にとって地獄と化してしまう。企業経営者・コンサルタントの人たちは、これを見過ごしてはならないと思う。
- 本書が、企業の経営者たちに、企業理念の文書化と、カルト主義(過剰な団結精神・集団ヒステリー)とを蔓延らせた罪は重い。
- 本書に示されたような経営方針を採る企業は、ともすると今で言う「ブラック企業」になり易い。従業員の処遇とのバランスも重要。
※本書で言う「ビジョナリー・カンパニー」は、社員にとって「やさしい」「居心地のいい」会社ではない。社員に対する要求が厳しい傾向にある。
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