2012年6月26日火曜日

岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」


岩崎 夏海 (著)
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4478012032/>
単行本: 272ページ; 出版社: ダイヤモンド社 (2009/12/4); ISBN-10: 4478012032; ISBN-13: 978-4478012031; 発売日: 2009/12/4
[書評] ★★★★☆
 ふとしたきっかけで、都立高校野球部マネージャーになった主人公、みなみ。マネージャーの役割とは何か、辞書を引くなど調べ、本屋でマネジメントの本を探す。 本屋の店員は何を勘違いしたか、マネジメントには無縁そうな女子高生に、ドラッカーの本(「マネジメント エッセンシャル版」)を勧める。みなみは、何の疑問も無く買ってしまう。
 ドラッカーの本は女子高生には難しい。が、それまで都の予選で良くて3回線負けの弱小野球部を、何とか甲子園に出場させたい一心で、ドラッカーの本から多くのヒントを得る。それは、イノベーションであり、モチベーションのマネジメントであった。みなみは、攻守ともにそれまでの高校野球の常識を外れた方法を取り(イノベーションを行い)、 各選手の希望に沿った役割分担(モチベーションのマネジメント)を行う。
物語としては話が出来すぎている感もあるが、ドラッカーのマネジメントの本質の部分を、 解り易い例をとって明解に示す。ちょっと取っ付きにくい感のあるドラッカーの本のエッセンスを、 平易に解く良書。
 ちなみに、本書を基にしたアニメや実写版映画があるが、こちらは“ちょっと違うぞぉ…”な感じ。P.ドラッカー→岩崎夏海→アニメ/映画製作者と咀嚼が進むにつれ、 元の本質がどんどん失われているような気がする。

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