2012年6月26日火曜日

堺屋太一「凄い時代 勝負は二〇一一年」

堺屋 太一 (著)
「凄い時代 勝負は二〇一一年 (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062120801/>
単行本: 333ページ; 出版社: 講談社 (2009/9/2); ISBN-10: 4062120801; ISBN-13: 978-4062120807; 発売日: 2009/9/2
[書評] ★★★★☆
 面白い本だ。 現代という時代は、モノがあれば幸せである、という時代(規格大量生産の工業時代)から、 人間の幸せは満足の大きいこと、という時代(知価時代)への激動期であると著者は言う。2011年、というのは、現在の景気停滞の2番底を抜けた時代、という意味。この2番底を抜けた時には、世の中の価値観はこれまでとは大きく変わっている筈だと言う。
 この先、日本が世界の主要なプレイヤーであり続けるためには、 教育を変革させなければいけないと言うが、 今こんな言っていても間に合わないのでは?と思う向きもあろう。が、今始めても遅いが、遅すぎるということはない。 規格大量生産の時代に向いた人材ではなく、知価社会に向いた人材を輩出する教育へ。この本は、1998年から2000年まで(第55代~57代の内閣3代にわたって)経済企画庁長官を務めた著者が、 在籍当時から考えていた構造改革のうち、自分に出来なかった内容について警鐘を鳴らしているとも考えられる。
 工業社会から知の社会への変革については、 故・P.F.ドラッカー教授もその著書で同様のことを述べているが、 本書ではその具体的な内容、時期まで言及している。 激動の時代を乗り越える、流れを読む上で、本書は一読の価値アリと思う。

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