橋田 信介 (著)
「戦場特派員」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4408007722/>
単行本: 349 p ; 出版社: 実業之日本社 ; ISBN: 4408007722 ; (2001/12)
[書評] ★★★☆☆
ソ連崩壊・ロシアの属国の解放以来東欧で続く内乱や、 中央アジア・中東の内乱と外国(国連とは名ばかりの米英連合)の内政干渉、テロリズムを取材した経験をまとめた本。橋田氏がジャーナリストとしてデビューし、 経験を積み、成長して行く過程がわかる。
ただ、何と言えば良いか分からないが、 同じ戦場ジャーナリストの“不肖”宮嶋茂樹氏がどんな状況でも生き抜いてやる、 楽しみを見つけ出してやる、といった前向きな姿勢なのと違い、 橋田氏は根っこの部分は非常にシリアス、かつ暗い。 後述の「世界の戦場で、バカと叫ぶ」では「人懐こい性格で明るく、誰からも好かれた」とあるが、 読みやすい文書の書き手であることからも分かるように、 人との接しかたは上手い人だったのだろう。しかし、心の中は(経験や仕事を通じてかも知れないが)深い闇を持っているように思えてならない。
戦争というものをシリアスに考えたい人には、色々と知ることのできる良書である。 「イラクの中心で、バカと叫ぶ」や「世界の戦場で、バカと叫ぶ」と同じ“ノリ”を期待すると裏切られるが、読んでおいて決して損はない。
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