有馬 朗人 (著), 松本 元 (著), 野依 良治 (著), 戸塚 洋二 (著), 榊 佳之 (著), 本庶 佑 (著)
「研究者」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4489006012/>
単行本: 286 p ; 出版社: 東京図書 ; ISBN: 4489006012 ; (2000/09)
[書評] ★★★☆☆
研究職に就こうと思っている(or研究職になるべきか否か迷っている)学生向けの本。 監修者は東京大学の総長を務めたこともある有馬朗人先生。 有馬先生以外にも、沢山の先生方が研究職であるために必要なもの、たとえば能力とか価値観とか運とかそういったものを身に付ける方法などなど、について述べている。2001年度のノーベル賞受賞者の野依先生も寄稿している。
自然科学の各分野の先生方が、自分の経験や努力・苦労した点などを述べる。が、照れもあるだろうし、恰好を付けたいという部分もあるのだろう。 自分が自分の道を選んだ理由とか、苦労した点とか、そういった「一番知りたい点」について、 本当に正直に書いている先生は実は少ないのではないかというのが私の感想。あまりに正直に書き過ぎて、若い読者の研究者予備軍が理系離れをするのを促進するようではいけないし、その辺りの事情も考えると、 正直さと照れと見栄と政治的理由とのバランスは非常に取り難いだろうが…。
なお、忘れてはいけないのは、この本に寄稿している先生方は、 成功したがゆえに著名な研究者たちである。すなわち、能力(才能)と努力と機会(運とタイミング)とが揃った方々であるということである。この本に書かれているような態度と努力は、 研究者として大成するための必要条件ではあるかも知れないが、十分条件ではない。…こういった事を意識して読むと、得るものもあるのではないだろうか。
まぁ、小難しいことなんか考えずに、色々な分野の研究者の物語として読んでも楽しめると思うが…。
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