2012年11月15日木曜日

水木楊「北京炎上」

水木 楊 (著)
「北京炎上 (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4163258701/>
単行本: 281ページ、出版社: 文藝春秋 (2007/04)、ISBN-10: 4163258701、ISBN-13: 978-4163258706
[書評] ★★★☆☆
 最初に断っておくが、これは小説、すなわちフィクションである。 他の中国論とごっちゃにしないように考えて頂きたい。

 中国の躍進的な発展に伴い現れてきた国民の不満、特に桁違いの格差社会、 相変わらず続く思想的な弾圧、…等々といった社会の歪みにより、 中国に第2の天安門事件が発生するというストーリーで書かれた小説。 杉本信行著「大地の咆哮 元上海総領事が見た中国」等の後に読むと、 前提条件となっている中国社会の現状が把握でき、本書の内容にも親しみを持ちやすい。
 読み物としては非常によく出来ていると思う。ストーリーもきちんとしているし、流れのテンポも悪くなく、舞台設定も悪くない。しかも、「有り得るストーリー」がタイムリーに書かれたことが、非常に興味深い。
 中国社会に興味を持つ向きは、こういう小説を読んでみるのも面白いだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿