2012年11月5日月曜日

宇多田ヒカル「点―ten―」


宇多田ヒカル (著)
 「点―ten― (単行本)」
 <http://www.amazon.co.jp/dp/4930774225/>
 単行本: 512ページ; 出版社: EMI Music Japan Inc./U3music Inc. (2009/3/19); ISBN-10: 4930774225; ISBN-13: 978-4930774224; 発売日: 2009/3/19
 [書評] ★★★☆☆
  言わずと知れた、宇多田ヒカルの本。 冒頭部は直筆の文、その後はインタビューを基とした文章と、写真から構成される。
 彼女の音楽を聴くようになってから久しいが、彼女の本が出ていると知り購入。 彼女の楽曲に特別な思い入れを持っている訳ではないが(でも本を買う位の興味は持っている)、 ミュージシャン/アーティストが普段考えていることや心情を垣間見ることが出来たら、と思って買った。 インタビューの箇所(すなわち本書の多くを占める部分)は話し言葉で書かれており、 読みにくいところもあるが、正直、面白い。 ミュージシャン/アーティストを仕事としている人の心情、 また、若くして結婚し、間もなく離婚した1人の女性としての気持ちを吐露している所が所々にあり、興味深い。
  CDとかコンサートDVDとかから、繊細/脆い、といった勝手なイメージを持っていたが、 本書でこの思いは強くなった。 中でもドキッとしたのは、以下のくだり。(一部引用)

     ミュージシャンは、
     普通の人が麻痺(まひ)していいことや
     麻痺したほうが健康なことを、
     麻痺せずに感じ続けなくちゃいけないこと
     が仕事なんじゃないのかな。
      (p. 272より)

 本書は女性が読んだ方が面白いだろうとは思うが、 音楽活動をしている人や(アマチュアレベルでも)、 音楽が生活の中で大きな比重を占める人が読むと、面白いのではないかと思う。 勿論、宇多田ヒカルの音楽が好きならば文句無しだ。

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