福岡 伸一 (著)
「生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見 [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4163756701/>
単行本: 237ページ; 出版社: 文藝春秋 (2012/9/12); 言語 日本語; ISBN-10: 4163756701; ISBN-13: 978-4163756707; 発売日: 2012/9/12
[書評] ★★★★☆
「生物と無生物のあいだ」(講談社:2007/5/18)、「世界は分けてもわからない」(講談社:2009/7/17)、「動的平衡」(木楽舎:2009/2/17)、「動的平衡2」(木楽舎:2011/12/10)といった数々の知的に面白い本を出している分子生物学者、福岡伸一氏の最新刊。
副題の通り、66本のエッセイ集。各1本は概ね3ページ(長いもので8ページ)となっており、どこからでも読み始められる。
昆虫少年だった筆者が、山登りやSFやクラシック音楽やフェルメールの絵など、また勿論本職である生命科学についても、多岐にわたる内容について語る。
生命のフシギさ、生命を紡ぎ出すせかいに対する優しさに満ちあふれた本。 「生物と無生物のあいだ」等の著作はテンポ良く読ませる本だったが、 本書はゆったりと読める作りになっている。2011年春に理系を「卒業」し、今まで以上に統合的な観点から生命を考える生物学者(ナチュラリストと筆者は言う)に なったとのことで、そういった背景もあって穏やかな文体になっているのだと思うが、 「理系」なものを優しい目で見つめる、良書だと思う。 読者層は理系・文系を選ばない。 多くの人に薦められる本だ。
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