「項羽と劉邦 (上) (新潮文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4101152314/>
文庫: 486ページ; 出版社: 新潮社; 改版版 (1984/09); ISBN-10: 4101152314; ISBN-13: 978-4101152318; 発売日: 1984/09
司馬 遼太郎 (著)
「項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4101152322/>
文庫: 435ページ; 出版社: 新潮社; 改版版 (1984/09); ISBN-10: 4101152322; ISBN-13: 978-4101152325; 発売日: 1984/09
司馬 遼太郎 (著)
「項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4101152330/>
文庫: 426ページ; 出版社: 新潮社; 改版版 (1984/09); ISBN-10: 4101152330; ISBN-13: 978-4101152332; 発売日: 1984/09
[書評] ★★★★★
前漢の成立前夜の中国大陸での群雄を書いた書。 黄帝から前漢の武帝までの時代を叙述した『史記』(司馬遷)と、 前漢の成立から王莽政権までを書いた『漢書』(班固・班昭ら)とに拠りつつも、 司馬遼太郎氏の洞察を含んだ書とのこと。
司馬遷は、亡父の業を引き継ぎ、前漢成立後60~70年頃に、 中国各地の記録・民俗・伝承を取材して歩いて『史記』を完成させたという。 言うまでもなく、司馬遼太郎氏のペンネームは、『史記』の作者・司馬遷に拠る。 本書が司馬遼太郎氏の書の中でも特に「熱い」のは、 中国大陸での稲作文明の進歩~思想文明の熟成といった沸騰する時期を書いたことだけでなく、想い入れの強さとも無縁ではない筈だ。
名著について駄評をしても仕方無いが、 中国大陸の文明・文化の影響を大きく受けて進化してきた日本に住む我々が、 是非読んでおきたい1冊だと言えよう。