エドワード・ヨードン (著), 松原 友夫 (翻訳), 山浦 恒央 (翻訳)
「デスマーチ 第2版 ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4822282716/>
単行本: 320 p ; 出版社: 日経BP社 ; ISBN: 4822282716 ; 第2版 版 (2006/05/03)
[書評] ★★★★★
ほとんどの組織では、人・物・金は常に不足している。しかも慢性的に。ある程度のリソース不足は仕方の無いことだ。しかし、致命的に少ないリソースで、アウトプットだけ求められる場合がある。スタート当時から、滅茶苦茶なスケジュール、納期が決まった後に二転三転する仕様。 1ヶ月の納期でクソマネジャーが「we can do it without any problem!」と安請け合いした仕事が、 部材の納期が4週間で(しかもそれは段取りを考えるとリーズナブルな納期だったりする)、その後の線表もカツカツに詰めて書いても2週間。そういうことが分かった後も、 納期だけ決まってしまい、それでも仕様は決まらず、仕様が決まるのは、納期1週間前位。しかも、そういう仕事を安請け合いした張本人は「外注をコントロールできないのはオマエに業務遂行能力が無いからだ」とか言って、自分の無能さには全く気づいていなかったりする。 気づいていないだけでなく、自分を神か何かと勘違いしている。
…まぁ、そういったカミカゼ特攻隊的な自滅的な仕事を一般に「デスマーチ」とか言ったりする訳だが、何だかよく聞く話じゃないか?
何故このような仕事が降って来るのかと言えば、それは政治的な理由で請け負わざるを得なかったとか、 単にマネジャーが無能なだけとか、 発注元が組織として崩壊しているとか、まぁそういったところだろう。
この本は、そういった仕事への取り組み方、そういうアホへの接し方、 等々についてのヒントが書いてあります。 鬱々とする前に、自分たちだけじゃないと知り、ちょっとだけ救われた気になるのも、この本の効用かも。でも、そんな組織は早晩滅びる運命にある。てゆーか、早々に滅びてくれた方が、世のため・人のためです。 説明しても分からんアホには付き合ってられません。そういう組織が潰されずに残っているということは、 会社自体が、そういう滅茶苦茶な仕事の仕方を「是」として扱っているということ。 異動希望が聞き入れられなかったら、身の振り方を考えましょう。
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