2012年7月2日月曜日

大野耐一「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして」

大野 耐一 (著)
「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4478460019/>
単行本: 232 p ; 出版社: ダイヤモンド社 ; ISBN: 4478460019 ; (1978/05)
[書評] ★★★★☆
 「かんばん方式」や「ジャスト・イン・タイム」で有名なトヨタの生産方式を、この生産方式を編み出した大野耐一氏御本人が自ら説明している本。 各工程の間の在庫(仕掛かり在庫)は全て不良資産であるという考え方は、 今の日本の生産現場に広く取り入れられている考え方だが、 最初にこの論理を唱えたのはトヨタであるようだ。この仕掛かり在庫を極力減らすために、それまでの生産ラインで各工程が完成品を次の工程に持って行っていたスタイルを変え、 次の工程が必要な物を前工程に取りに行くという考え方は秀逸であり、 今読んでも納得させられる。 「かんばん方式」「ジャスト・イン・タイム」といった言葉ばかり有名になっている気がするが、 本書にはその哲学が分かりやすく書かれている。 製造業に携わる人全てにお奨めの良書だ。
 四半世紀以上前の本とあって、本書の内容は、そのままでは変化の激しい現在には対応しきれていないと思われるので、留意が必要だ(勿論、トヨタ社内では時代にマッチした生産方式へと改革が進められているのだろう)。が、トヨタ生産方式のエッセンスを混じり物無しで知るには最適の1冊だと思う。

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