2012年7月23日月曜日

クレイトン・クリステンセン&マイケル・レイナー「イノベーションへの解」

クレイトン・クリステンセン(著),マイケル・レイナー(著),玉田 俊平太, 櫻井 祐子(翻訳)
Harvard business school press
「イノベーションへの解―利益ある成長に向けて」

<http://www.amazon.co.jp/dp/4798104930/>
単行本: 373 p ; 出版社: 翔泳社 ; ISBN: 4798104930 ; (2003/12/13)
[書評] ★★★★★
 前作「イノベーションのジレンマ」はおよそ以下のメカニズムを述べている:
 ①イノベーションには(1)持続的イノベーションと(2)破壊的イノベーションとがある、
 ②一般に大企業(創業後長年にわたり成長を続けている企業)は(1)持続的イノベーションには長けており、また持続的イノベーションに必要な経営資源を十分に持っているが、(2)破壊的イノベーションを自ら起こせる体質を持っておらず、また、(3)他社による破壊的イノベーションに遭遇した際にも充分な対処ができず、 最悪の場合は市場から去ることになると述べる。
 特に、大企業が自ら破壊的イノベーションを発生させることが不得意な理由として、 成長に伴い定着した企業の「文化」や「プロセス」がそれを妨げることと(この企業「文化」や「プロセス」は、持続的イノベーションに特化している)、また、発生直後の小さな市場では大企業に十分な成長の機会を与えないために、 破壊的イノベーションはめったにテーマの取捨選択のフィルタを通らない(大企業内で破壊的イノベーションを継続することは殆ど不可能)という問題と そのメカニズムを示す。
 前作では、他社による破壊的イノベーションに遭遇した際に大企業がとるべき道を示したが、 本作では、大企業が自ら破壊的イノベーションを創造する手法について述べる。 前作に引続き、切れ味鋭い良書だ。 本作も、企業幹部・研究開発メンバー・営業メンバーの全てにとって必読の書である。

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