ダニエル・ピンク(著), 大前 研一 (翻訳)
「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062144492/>
ハードカバー: 306ページ; 出版社: 講談社 (2010/7/7); 言語 日本語; ISBN-10: 4062144492; ISBN-13: 978-4062144490; 発売日: 2010/7/7
[書評] ★★★★☆
「ハイ・コンセプト」のダニエル・ピンクの新刊。
本書は、これからの企業に必要とされる、動機づけに関する本である。 社会経済の発展に伴い、人間の動機づけが変わって来ていることを述べ、それを以下のように表現している。
●モチベーション1.0…生物としての生存のために行動するという考え方。
●モチベーション2.0…人には報酬と処罰(アメとムチ)が効果的だとする考え方。フォーディズムにも通じる。
●モチベーション3.0…創造的な活動、右脳的な仕事の動機づけのために、必要とされる考え方。人間には、学びたい、創造したい、世界を良くしたいという動機づけがあると考える。本書がフォーカスするもの。
企業として、基本的な報酬は必要であるとしながら、それ以外の外発的動機づけに頼らずに、内発的動機づけを強調している。すなわち、人に生来備わっている、①(能力を発揮したいという)有能感、②(自分でやりたいという)自律性、③(人々と関連を持ちたいという)関係性、という3つの心理的要素を満たすことにより、 我々は動機づけられ、生産的になり、幸福を感じると述べる。
人の動機づけに関して、議論の余地はまだある気もするが、モチベーションを云々する本が沢山出ている中、本書はそれらの「1歩先」を行き、ひとつ違った観点から議論をしていることに好感が持てる。よくあるモチベーション本とは議論のポイントが違う為、 誰もに読み易い本ではないかも知れないが、 後輩を指導する立場の人や、部下を持つ人にとって大切なことが沢山書かれていると思う。 社会人として、本書は読んでおいて損は無い。
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