2012年7月6日金曜日

ジェフリー・ムーア「キャズム―ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論」

ジェフリー・ムーア(著)、川又政治(訳)
「キャズム (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4798101524/>
単行本: 256ページ ; 出版社: 翔泳社 (2002/1/23) ; ASIN: 4798101524
[書評] ★★★★☆
 ハイテク商品に特徴的な、商品の市場への受け入れられ方と、 売る側の取るべき拡販方法を示す。 新商品が市場に受け入れられる際、顧客は段階的に、その種類を変えていく。すなわち、
 1.イノベーター(Innovator)
 2.アーリー・アドプター(Early Adopters)
 (キャズム(Chasm))
 3.アーリー・マジョリティー(Early Majority)
 4.レイト・マジョリティー(Late Majority)
 5.ラガード(Laggards)
というステップを踏む(3.と4.がボリュームゾーンで、メインストリーム市場)。それぞれのステージで、顧客への拡販戦略は変わってくるが、その中でも特に「2.アーリー・アドプター」と「3.アーリー・マジョリティー」との間の溝が大きく、これを乗り越えられない企業や商品が多いと説く。
 クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」により、 新商品が市場に受け入れられる際に乗り越えなければならない壁として、 「死の谷」や「ダーウィンの海」が広く知られている。が、本書ではチョット違うアプローチで問題を解く。
 なかなか面白い。IT・ハイテク関連の企業に勤めている人間として、読んでおいて損はない。

 さて、本論とは関係無いのだが: 米国の専門誌等を読んでいると、時々この「キャズム(Chasm)」という用語に出会う。 日本ではあまり聞きなれない言葉かも知れないが、 技術革新に関わる仕事をしている人間として、 意味くらいは知っていたほうが良いと思う。

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