2012年7月11日水曜日

宋文洲「宋文洲の傍目八目」

宋 文洲 (著)
「宋文洲の傍目八目 (NB Online book) (単行本(ソフトカバー))」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4822245802/>
単行本(ソフトカバー): 212ページ; 出版社: 日経BP社 (2007/4/12); ISBN-10: 4822245802; ISBN-13: 978-4822245801; 発売日: 2007/4/12
[書評] ★★★★★
 ソフトブレーン社の創業者、中国人・宋文洲氏の著作。 「日経 ビジネスオンライン」の連載記事「宋文洲の傍目八目」を書籍化した本。いじめ、格差、日中関係、靖国問題、雇用・経済、‥‥といった、日本が抱える様々な問題と、これらにどのように取り組むべきかを示す。
 この本の面白いところは、当事者の「常識」を捨て、傍目八目(おかめはちもく)で眺めることにより、答えがちゃんと見えて来る、ということを示していること。 日本人(に限らないのだろうが)常識に凝り固まって偏った見方を捨てた視点で見て、これらの問題への処方箋を示す。
 彼は中国人だが、日本の社会を温かでかつ冷静な目で見つめ、 様々な問題への解決策(解決案)を示している。これらが現在の日本に処方可能な策かどうかはともかく、 処方可能な社会にしなければイケナイと示す。
 著者は、中国人ではあるが、下手な日本人以上に日本の将来を考えている。が、日本人に媚びたり阿[おも]ねたりすることなく、ストレートに問題を論じている点に好感が持てる。 日本のアウトサイダーでありながら、インサイダー。インサイダーの視点とアウトサイダーの視点、これらをバランス良く持っている氏の今後の著作にも期待。

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