2014年8月2日土曜日

門倉貴史「『夜のオンナ』の経済白書」

門倉貴史「『夜のオンナ』の経済白書 ──世界同時不況と『夜のビジネス』」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4047102091/>
新書: 213ページ
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/10/10)
ISBN-10: 4047102091
ISBN-13: 978-4047102095
発売日: 2009/10/10

[書評] ★★★☆☆

最初は、浅川夏樹(著)「夜の銀座の資本論 お金にモテる人になる!」(Amazon拙書評)のような内容を期待したのだが、全然違っていた。世界各国の売買春事情やそれにまつわる人身売買といったシリアスな内容。序文に
  • 「夜のビジネス」抜きでは経済を本当に理解したことにはならない
とあったが、「夜のビジネス」は基本的に灰色~黒の世界のビジネスであり、本書の数値も推計が中心である(まあ仕方無いか)。本書の提言はただ1つ。子供をつくる以外のセックスを嗜好品ととらえ、「セックス税」を導入してはどうかという話だ。「タバコ税」「酒税」と同じ理屈とのこと。言いたいことは分かるのだが、
  • 現在違法とされている売買春を合法化しなければいけないこと
  • 店舗を持たない形態の売買春については課税が困難なこと(強引なやり方をすると今以上に地下ビジネス化しかねない)
といった理由から、実際には無理でしょ(!)と思う。

内容はかなり真面目だし、データ収集に手間暇かけて(新書の割に)丁寧に書かれているのは分かる。だが、内容ではなく書名で売ろうとしている意図が垣間見える点はチョット残念(著者と出版社のいずれの意図かは判らないが)。

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