2015年11月29日日曜日

西尾維新(著)、VOFAN(イラスト) 「愚物語」

西尾維新(著)、VOFAN(イラスト) 「愚物語」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062838893/>
単行本(ソフトカバー): 308ページ
出版社: 講談社 (2015/10/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062838893
ISBN-13: 978-4062838894
発売日: 2015/10/6

[書評] ★★★☆☆

久しぶりにライトノベルのお時間です。

〈物語〉シリーズの最新刊(19冊目)。このシリーズ、前巻『続・終物語』で今度こそ打ち止めだと思っていたのだが、…新刊が出てしまいました。内容は、過去に出てきたヒロインのうち3人を主人公とするストーリー3本立て。しなくても良い伏線の回収(笑)。

第一話「そだちフィアスコ」は、暦クンの元クラスメイト・老倉育(おいくら そだち)の、転校先での出来事。新クラスで自己紹介に失敗したあと、友達作りもなかなかうまくいかない。最初こそ学校内での自分の立ち位置を確保する為に行動するが、クラスメイトの対立や友人関係の捩れを見て、これを正す行動をとってしまう。その結果育チャンは学校で友達のいない生徒になってしまうのだが、この打算を超えた行動パターンこそ、一番嫌いなはずの暦クンそのものだ。育チャン、性格にも行動にも色々と問題はある(そんな育チャンが語り部だから、文章も陰鬱)。でも、弱さを抱えた人間が弱さを抱えたまま一段階成長する姿は、本シリーズにしては珍しく、救いがある。

第二話「するがボーンヘッド」は、語り部・神原駿河(かんばる するが;暦クンの1学年下の後輩)が高3夏休み初日に自室(汚部屋!)を掃除し始めた時に、数カ月前に処分した筈の左手の木乃伊が出てきた(木乃伊:初出は『化物語(上)』で高2春、処分は『花物語』で高3春)。この左手の木乃伊は古い手紙を握っていたが、そこに書かれていたのは暗号。木乃伊がらみの話なのだが、怪異譚というより軽妙なナゾナゾ話。

第三話「つきひアンドゥ」の語り部は、なんと人間ではなく式神の斧之木余接(おののき よつぎ)チャン(初出は『偽物語(下)』)。阿良々木家に監視役として来ていたが(『憑物語』で暦クンの妹・月火(つきひ)チャンがUFOキャッチャーでゲットしてきた)、人形であるはずの余接チャン、アイスクリームを食べている所を月火チャンに目撃されてしまう。何とかソレっぽい話で月火チャンを納得させようとするのだが、…ドタバタ劇の後は無間地獄(笑)。

三話とも、前作を読んでいないと解らない内容だらけ。ファンサービスのような本。心の闇という陰鬱なテーマと、軽妙なお化け話が適度にちりばめられた娯楽本としては良いかも知れません。

・  ・  ・  ・  ・

何度も完結している筈の本シリーズでまた新刊が出た経緯を愚考すると:
  • 現在ファイナルシーズンのTVアニメ放送中
  • ファーストシーズンの未放送分(『傷物語』)の映画化(2016年1月~公開予定)
といった大人の事情があり、メディアミックス戦略上、新刊を出さない訳には行かなかったのかも知れません。

作者の西尾さん、ここ暫くは「忘却探偵シリーズ」執筆で超多忙な筈なのですが、旧シリーズの続編も並行して書かなければならないとは…。本作に続いて、シリーズ20冊目「業物語」の出版も発表されています。売れっ子作家というのも相当シンドそうですね(作者の西尾さん、昔は売れないことを自虐ネタとして作品中に盛り込んでいた位なのですけどねぇ)。西尾さん、現在三十代半ばで体力的には暫くは大丈夫だとは思いますが、メディアに酷使され過ぎないことを祈ります。

・  ・  ・  ・  ・

◆既刊リスト
①「化物語(上)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062836025/> (2006/11/1)
②「化物語(下)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062836076/> (2006/12/4)
③「傷物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062836637/> (2008/5/8)
④「偽物語(上)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062836793/> (2008/9/2)
⑤「偽物語(下)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837021/> (2009/6/11)
⑥「猫物語(黒)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/406283748X/> (2010/7/29)
・セカンドシーズン
⑦「猫物語(白)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837587/> (2010/10/27)
⑧「傾物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837676/> (2010/12/25)
⑨「花物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837714/> (2011/3/30)
⑩「囮物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837765/> (2011/6/29)
⑪「鬼物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837811/> (2011/9/29)
⑫「恋物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062837927/> (2011/12/21)
・ファイナルシーズン
⑬「憑物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838125/> (2012/9/27)
⑭「暦物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838370/> (2013/05/20)
⑮「終物語(上)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838575/> (2013/10/22)
⑯「終物語(中)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838613/> (2014/1/29)
⑰「終物語(下)」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838680/> (2014/4/2)
⑱「続・終物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838788/> (2014/9/18)
・オフシーズン
⑲「愚物語」 <http://www.amazon.co.jp/dp/4062838893/> (2015/10/6)
⑳「業物語」【未刊】

この各冊が文字量多め。文庫本で言えば350~400ページ程度の少し厚めの文字量(言葉遊びが多い作者なので、その分は割り引いて考えても良いのですが)。これを10年足らずで20冊書いていると思うと、驚嘆すべき多作ですね!

◆拙書評
①~⑭ <http://yuubookreview.blogspot.jp/2013/08/blog-post_16.html>
①~⑭(再読) <http://yuubookreview.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html>
⑮ <http://yuubookreview.blogspot.jp/2014/02/vofan.html>
⑯ <http://yuubookreview.blogspot.jp/2014/03/vofan.html>
⑰ <http://yuubookreview.blogspot.jp/2014/04/vofan.html>
⑱ <http://yuubookreview.blogspot.jp/2014/11/vofan.html>

2015年11月21日土曜日

小山 宙哉(著) 「宇宙兄弟(27)」 (コミック)


小山 宙哉(著)「宇宙兄弟(27)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4063885232/>
コミック: 208ページ
出版社: 講談社 (2015/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4063885232
ISBN-13: 978-4063885231
発売日: 2015/11/20

[書評] ★★★★☆

ハイ、表紙からも分かる通り、ヒロイン・伊東せりかチャンに事件の起こる巻。

月面に到着した主人公・南波六太(ムッタ)。月面最初のミッションは、月面着陸・移動モジュールの可動部に詰まってしまったレゴリス(月の砂)の掃除という、予定外の地味な作業。そんな折、同じタイミングでISS (国際宇宙ステーション)で無重力環境実験を進めていたヒロイン・伊東せりかチャンに黒い影が迫る。せりかチャンに恨みを持つ某氏が、根も葉も無い話をネットに流し、大炎上…。JAXA(宇宙航空研究開発機構)や文科省に対するバッシングまで始まり、とうとう政治家(文科大臣)まで動き出す…。

ひどい話だが、ネット時代(つまり2015年の今現在)、充分に起り得る話だ(実社会の方でも近年色々な「炎上」が起きていますね)。国や企業の苦情窓口関係者やCSR担当者には、本作に登場する文科大臣のダメダメな対応っぷりを反面教師にして欲しい。(このエピソードで、作者・小山さんが、保身や言い訳に走って大事なことを見落としている政治家に対して、色々と不満を抱いていることもよく分かる。)

近未来SFストーリーのはずが、妙に、CSR(企業の社会的責任)、コンプライアンス(法令順守)、コーポレートガバナンス等を含めたリスクマネジメントや、モンスタークレイマーの問題といった、今の世相を反映しているようで、チョットお気楽には読めなかった(そういう意味では大人向けのコミックと言える)。特に本巻では、ネット上の情報のあり方や、個人や組織がそれらをどう捉え、どう処理すべきかを考えさせられる作品。

・  ・  ・  ・  ・

…というか。最近の現実社会の方では、謂われのあるクレーム(企業の不祥事)やその経過(制裁金とか行政処分とか)といったニュースが目白押しで(その企業の下請けや部材納入業者まで株価が暴落する等の大きな影響が出ています)、比較的平穏・日常的なニュースが吹き飛んでいるような…。

2015年11月15日日曜日

池上 彰「超訳 日本国憲法」


池上 彰「超訳 日本国憲法」(新潮新書、2015/4/17)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4106106132/>
新書: 256ページ
出版社: 新潮社 (2015/4/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4106106132
ISBN-13: 978-4106106132
発売日: 2015/4/17

[書評] ★★★★★

日本国憲法の全文の説明、必要に応じて憲法の成立過程についても説明する本。常人には解かり難い法律文書を、現代日本語として解り易く「超訳」してくれる。

過去にも憲法の一部(たとえば基本的人権、参政権、教育の義務、等々)について個別に解説する文献はあったが、憲法前文も含めた全文について解説した本は(少なくとも一般人が買うような本には)無かったのではないだろうか。しかも内容は必要にしてかつ充分、(チョットした薀蓄を除けば)余計な内容が殆ど無いのが良い。それでありながら、憲法に規定されていないけど重要な法律については必要箇所だけ引用して補足しており、憲法に対する理解がより深まるという作りになっているのが非常に良い。

新書で200頁少々、文章量は文庫本の半分位。読むのが速い人なら通学・通勤の1往復の間に読み終えられる位。今という時代だからこそ、こういう本を読むことは大切だと思う。

・  ・  ・  ・  ・

オマケに北朝鮮・中国・米国の憲法の冒頭部が出てきて日本国憲法との成り立ちの違いが分かるように書かれている。北朝鮮や中国に「憲法」が存在していたこと自体ビックリものだが、その内容にはもっとビックリだ。…が、どうビックリなのかは、是非本書を読んで欲しい。

2015年11月8日日曜日

池上 彰「知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?」


池上 彰「知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?」<http://www.amazon.co.jp/dp/4040820150/>
新書: 284ページ
出版社: KADOKAWA/角川マガジンズ (2015/5/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4040820150
ISBN-13: 978-4040820156
発売日: 2015/5/10

[書評] ★★★★☆

以前上司だった人に薦められて読んでみた本。

さて、池上氏はNHKキャスターを卒業した後、ジャーナリストとして活躍されている人で、現在は東京工業大学の教授も務めている。…などという説明は不要だろうが、この人の解説はTVでも文章でも解り易いことで定評がある。

さて、本書。発行が今年5月で、その後「安全保障法案」(一部の人から「戦争法案」などとも言われた)が成立する等、内容が少し古くなってしまっているが、考え方としては充分生きていると思う。その内容だが、
 ・安全保障問題
 ・中国、北朝鮮との諸問題
 ・改憲(特に憲法9条)
 ・ISIL
等を中心として、世界情勢を分析し、日本は今後どのような道をとるべきかについてのヒントが多い。特に、米国が衰退しつつある今という時代、日本が世界で生き残るためにどうすべきか考える上で重要な指針(考えるべきポイント)を示してくれる。非常にわかりやすい。社会人は勿論、高校生や大学生(で政治になんか興味がないよという人)にもオススメできる。

著者・池上氏は、元外交官・佐藤優氏との共著「新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方」(Amazon拙書評)等でやや右寄りな発言をしていたと思うのだが、本書では安全保障問題や改憲については慎重な意見だ。また、戦後の歴史認識について近年右寄りの人たちから、敗戦の条件が間違っていたとか極東裁判自体に正統性が無かったといった意見が出ているが、本書では「そういった諸々の事も含めて降伏文書に署名したのだから、今さら“ちゃぶ台返し”は無しですよ」と釘を刺す。この辺りにも好感を持てた。

2015年11月1日日曜日

オリバー・ストーン&ピーター・カズニック「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」(文庫版全3冊)

オリバー・ストーン&ピーター・カズニック「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」(文庫版全3冊)

[書評] ★★★★☆

『プラトーン』、『7月4日に生まれて』等でアメリカ合衆国の標榜する「正義」への疑いを世間に問うた映画監督、オリバー・ストーンによる大作。アメリカ史修正主義(批判的な観点から歴史を論じる)の大家、アメリカン大学のピーター・カズニック教授の協力を得て書かれた著作。映像作品と書籍の二本立てで作られた作品で、テレビ番組シリーズは日本でも放送されたので、記憶している人も少なくないだろう。

さて、本書。一言で言えば、アメリカ人によるアメリカ史の訂正及び批判(自虐史観とも言える)。新聞等や最近機密解除された情報も含め、参照文献2,000点以上(インタビュー数も同じくらい多い)という大プロジェクトを敢行して書かれた大作。

全体として:
  1. 個人の自由と権利を重視する、キリスト教的視点・西洋的視点中心なモノサシでしか書かれていない点は否めない。ムスリム等の宗教観や異なる社会文化など異質な価値観も認めると、もっと違う見方も出来るのではないか? アメリカ人的「幸福感」「正義感」という狭い窓からしか世界を見ておらず、そのアメリカ人的価値観を(アメリカ人以外の)読者に押し付けているという意味では、アメリカの外交政策と似たり寄ったりである(苦笑)。
  2. 内容に左寄り(そして親中)の傾向あり。特に近年の中国の膨張傾向に対するアメリカの姿勢(軍事体制・経済政策)を強く批判している。アメリカの外交政策にも色々と問題はあるだろうが、「転ばぬ先の杖」としての軍事力(使わないに越したことはないが存在しなければ抑止力にならない)や国際経済政策は認めるべきではないだろうか。
  3. 翻訳の質や表記法が統一されておらず、日本語として読みにくい箇所がある(英語の論理構造のままでマトモな日本語になっていない箇所がある)。特に、JFKの章(第7章)は本書のハイライトの1つだと思うのだが、ここで誤訳が目立つのは残念。
…と、原作には多少の偏向があり、また翻訳の質について一部問題はあるものの、アメリカ(を中心とした占領軍)により作られた社会体制の日本に住む人間として、是非読んでおきたいアメリカ近現代史。

◆日本人として読むべきポイント:
  • アメリカ人が主張する「正義」を批判的な目で見たアメリカ史
    • アメリカの軍事力は「世界の警察官」だったことは無く(「警察官」という表現自体がアメリカの戦争を正当化するレトリックに過ぎないが)、米西戦争以降一貫して「米国富裕層が搾取するために手足となって働くギャング」だった。被搾取階級としてアメリカ国内の中間層~貧困層だけでは飽き足らず、中南米や東・東南アジアからも富を搾取する為に帝国主義的膨張を推し進めた。共産主義と戦ったがこれもアメリカ帝国を維持し搾取出来る国を維持する為である。
    • 中東と中央アジアからは石油や鉱物資源を搾取する為に戦争を起こし、結果として戦争以前より状況を悪化させ混沌を作ってしまった。イスラエル・パレスチナ問題とイスラム教諸国における諸問題は、民族間・宗派間抗争の問題もあり、冷戦の構造にうまく嵌らない複雑な問題だが、アメリカがキッカケとなって状況を悪くした例が多い。
    • アメリカは常に敵を持ち、これに対抗して行かないと存続できない国のようだ。他国の政治・経済に介入し、ひっきりなしに戦争を起こしていることが「当り前」になってしまっている恐るべき国家。
      ⇒以上から、近年アメリカが衰退し始めたのは、冷戦終結に始まる世界情勢の変化により、アメリカが搾取することの出来る新たな領域が無くなってしまったからではないか?と見ることも出来る。
  • 核戦争による世界滅亡を免れた「奇跡」としての世界史
    • ケネディもレーガンも暴走しないだけの冷静さは持っていたが、世界を滅亡させない為の懸命の努力をしたのは、フルシチョフでありゴルバチョフである。このソ連指導者2名は、自身の政治生命を守ることよりも国民と国土そして人の住む地球を滅ぼさないことを優先した結果失脚したが、人類にとって賢明かつ適切な判断であった。
    • 朝鮮戦争、ベトナム戦争、カンボジア、ラオス、…これらの戦争において、アメリカの指導者が核兵器を用いる気満々で、賢明な視点を持った人の努力と偶然により、核戦争に至らずに済んだことがよくわかる。
    • キューバ危機に関する記述は秀逸(2巻・第7章「JFKとキューバ危機」)。近年機密解除された文書を参照したこともあるのだろうが、映画『13デイズ』の描写以上に崖っ淵に立たされた状態だったことがわかる。現在世界がこのように存在していること自体奇跡だ。
  • 現代日本人として読んでおくべきアメリカ現代史
    • 戦後日本が連合国(米国)の統治下で何をされたか、日本が主権を回復した後もどれだけ米国に苦役を強いられて来たか、日本国民として知っておくべきだろう(日本国民は戦後GHQにより進められたWGIPという“洗脳”政策からいい加減脱しても良いのではないか?)。
    • 「格差先進国」米国の愚策とその結果から、日本の取るべき道を考えることが出来る。
      ⇒安倍政権の経済政策には疑義を禁じ得ない。「国の競争力を上げるため」と称して導入したホワイトカラー・エグゼンプションと女性活用政策だが、裏を返せば、長時間労働し女性も働かないと家計が持たない社会にすることを前提とした政策だ。国の競争力充実という意味では、庶民を馬車馬の如く働かせることよりも、教育の充実と国内産業の保護・育成といった政策が重要な筈だ(どう贔屓目に見ても、これらの重要テーマはおざなりにされている;選挙とか任期とかのある民主主義体制において、任期よりも長期にわたる政策というのは立て難いのかも知れないが、そういう観点で政治を行って貰わないと、本当に日本は沈没すると思う)。
      • 教育の充実は、①中間層以下も労働力としてレベルアップする、②親の資産格差→子供の教育格差→子供の資産格差、という格差の相続を押しとどめるのに重要。
      • 保護育成すべき国内産業政策としては特に、食糧安全保障に関わる農業と、エネルギー安全保障に関わる電力政策及び新エネルギーの振興政策を挙げておきたい。
    • 資本主義経済・民主主義体制の限界と、近年日本でも見られる新自由主義(ネオコン)的政策の危険性について知り、国民(と関係各国の国民)を幸せにすることの出来る政治とはどんなものかを考えるヒントになる(北欧で比較的うまく機能している方法を日本流に取り込むのはどうだろうか)。
◆内容(目次)紹介

 第1巻 2つの世界大戦と原爆投下
  序章 帝国のルーツ ―― 「戦争はあこぎな商売」
  第1章 第一次世界大戦 ―― ウィルソンvsレーニン
  第2章 ニュー・ディール ―― 「私は彼らの憎しみを喜んで受け入れる」
  第3章 第二次世界大戦 ―― 誰がドイツを打ち破ったのか?
  第4章 原子爆弾 ―― 凡人の悲劇
 第2巻 ケネディと世界存亡の危機
  第5章 冷戦 ―― 始めたのは誰か?
  第6章 アイゼンハワー ―― 高まる軍事的緊張
  第7章 JFK ―― 「人類史上、最も危険な瞬間」
  第8章 LBJ ―― 道を見失った帝国
  第9章 ニクソンとキッシンジャー ―― 「狂人」と「サイコパス」
 第3巻 帝国の緩やかな黄昏
  第10章 デタントの崩壊 ―― 真昼の暗黒
  第11章 レーガン時代 ―― 民主主義の暗殺
  第12章 冷戦の終結 ―― 機会の逸失
  第13章 ブッシュ=チェイニー体制の瓦解 ―― 「イラクでは地獄の門が開いている」
  第14章 オバマ ―― 傷ついた帝国の運営

◆以下書籍情報


オリバー・ストーン&ピーター・カズニック(著)、大田 直子ほか(翻訳)「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1: 2つの世界大戦と原爆投下」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2015/7/23)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150504393/>
文庫: 440ページ
出版社: 早川書房 (2015/7/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150504393
ISBN-13: 978-4150504397
発売日: 2015/7/23


オリバー・ストーン&ピーター・カズニック(著), 熊谷 玲美ほか(翻訳)「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2: ケネディと世界存亡の危機」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2015/7/23)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150504407/>
文庫: 472ページ
出版社: 早川書房 (2015/7/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150504407
ISBN-13: 978-4150504403
発売日: 2015/7/23


オリバー・ストーン&ピーター・カズニック(著), 金子 浩ほか(翻訳)「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 3: 帝国の緩やかな黄昏」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2015/7/23)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150504415/>
文庫: 549ページ
出版社: 早川書房 (2015/7/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150504415
ISBN-13: 978-4150504410
発売日: 2015/7/23