2015年11月8日日曜日

池上 彰「知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?」


池上 彰「知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?」<http://www.amazon.co.jp/dp/4040820150/>
新書: 284ページ
出版社: KADOKAWA/角川マガジンズ (2015/5/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4040820150
ISBN-13: 978-4040820156
発売日: 2015/5/10

[書評] ★★★★☆

以前上司だった人に薦められて読んでみた本。

さて、池上氏はNHKキャスターを卒業した後、ジャーナリストとして活躍されている人で、現在は東京工業大学の教授も務めている。…などという説明は不要だろうが、この人の解説はTVでも文章でも解り易いことで定評がある。

さて、本書。発行が今年5月で、その後「安全保障法案」(一部の人から「戦争法案」などとも言われた)が成立する等、内容が少し古くなってしまっているが、考え方としては充分生きていると思う。その内容だが、
 ・安全保障問題
 ・中国、北朝鮮との諸問題
 ・改憲(特に憲法9条)
 ・ISIL
等を中心として、世界情勢を分析し、日本は今後どのような道をとるべきかについてのヒントが多い。特に、米国が衰退しつつある今という時代、日本が世界で生き残るためにどうすべきか考える上で重要な指針(考えるべきポイント)を示してくれる。非常にわかりやすい。社会人は勿論、高校生や大学生(で政治になんか興味がないよという人)にもオススメできる。

著者・池上氏は、元外交官・佐藤優氏との共著「新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方」(Amazon拙書評)等でやや右寄りな発言をしていたと思うのだが、本書では安全保障問題や改憲については慎重な意見だ。また、戦後の歴史認識について近年右寄りの人たちから、敗戦の条件が間違っていたとか極東裁判自体に正統性が無かったといった意見が出ているが、本書では「そういった諸々の事も含めて降伏文書に署名したのだから、今さら“ちゃぶ台返し”は無しですよ」と釘を刺す。この辺りにも好感を持てた。

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