2013年8月26日月曜日

川西蘭「あねチャリ」

川西 蘭 (著)
「あねチャリ (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/409386263X/>
単行本: 258ページ; 出版社: 小学館 (2009/11/30); ISBN-10: 409386263X; ISBN-13: 978-4093862639; 発売日: 2009/11/30
[書評] ★★★★☆
 話の展開がチョット強引というか、荒唐無稽というか、 そういうものは感じるんだけど。 でもテンポ良く読ませる。 いいね。

2013年8月25日日曜日

川西蘭「セカンドウィンド(3)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド 3 [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4093862753/>
単行本: 445ページ; 出版社: 小学館 (2010/6/30); 言語 日本語; ISBN-10: 4093862753; ISBN-13: 978-4093862752; 発売日: 2010/6/30
[書評] ★★★★☆
 「セカンドウィンド」「セカンドウィンド2」の続編。 文庫版はまだ出ていないので、待ちきれずに単行本を購入してしまった。

 主人公・溝口洋が南雲学院高校で新3年生に進学し、 自転車部のキャプテンになった。 前々作・前作に続き、爽やかに読める1冊。

2013年8月24日土曜日

川西蘭「セカンドウィンド(2)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド (2) (ピュアフル文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4861765145/>
文庫: 420ページ; 出版社: ジャイブ (2009/1/10); ISBN-10: 4861765145; ISBN-13: 978-4861765148; 発売日: 2009/1/10
[書評] ★★★☆☆
 前作の続編で、前作同様、爽やかな読後感。 テンポも良い。
 サイクルスポーツに興味のある人は読んでみて良いだろう。 ただ、自転車競技(に限らず全てのスポーツ)に存在するダークな面が 殆ど書かれていない点が浅薄に感じられる。 主人公は高校生なので、あまりダークなことを書くのもどうかとは思うが、 もう少し深みのある書き方でも良いかも知れない。 …って、ただの青春スポーツ小説に多くを求めすぎか?
 なにはともあれ、気楽に読める1冊として良い。

2013年8月23日金曜日

川西蘭「セカンドウィンド(1)」

川西 蘭 (著)
「セカンドウィンド 1 (1) (ピュアフル文庫 か 2-2) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/486176453X>
文庫: 418ページ; 出版社: ジャイブ (2007/11); ISBN-10: 486176453X; ISBN-13: 978-4861764530; 発売日: 2007/11
[書評] ★★★☆☆
爽やかな青春小説。 自転車に夢中な少年が、その道にどんどん入って行く過程を描いている。 少々厚めの本だが(文庫本で400ページくらい)、 テンポ良くあっという間に読める。 同じ自転車小説でも、近藤史恵・著「サクリファイス」や 斎藤純・著「銀輪の覇者」とは異なり、 スポーツの暗い面があまり出てこないのが爽やかでもあり、 (ツール・ド・フランス等でののドーピングスキャンダルを知っている 読者にとっては)若干物足りなくも感じる面も否めないが、 まぁ青春小説ということで、コレはコレで良いのだろう。

2013年8月21日水曜日

高千穂遥「ヒルクライマー」

高千穂 遙 (著)
「ヒルクライマー (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4093862478/>
単行本: 288ページ; 出版社: 小学館 (2009/7/23); ISBN-10: 4093862478; ISBN-13: 978-4093862479; 発売日: 2009/7/23
[書評] ★★☆☆☆
 ソレナリに面白いんだけど、んー、何かね。 登場人物のドロドロした人間模様の描き方がチョットいただけない。 売れっ子作家が売れる本にしようとして、こんなストーリーにしたのかも知らんがねえ。チョット安易すぎねーか?

2013年8月20日火曜日

斎藤純「銀輪の覇者」(上・下)

 
斎藤 純 (著)
「銀輪の覇者 上 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150308993>
文庫: 346ページ; 出版社: 早川書房 (2007/8/25); ISBN-10: 4150308993; ISBN-13: 978-4150308995; 発売日: 2007/8/25
斎藤 純 (著)
「銀輪の覇者 下 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150309000>
文庫: 395ページ; 出版社: 早川書房 (2007/8/25); ISBN-10: 4150309000; ISBN-13: 978-4150309008; 発売日: 2007/8/25
[書評] ★★☆☆☆
 昭和初期に自転車プロレースが行われたという設定での物語。 胡散臭い人たちが一攫千金を狙ってレースに出場するが、 自転車レースの心得のある人はごく一握り、あとはロクでもない連中ばかり。 主催者側も、帝国軍に自転車を採用してもらうための活動としてレースを利用。そんなレースで、自転車はいわゆる「実用車」。さて、レースの展開は…?
 後半のテンポの良さは良いが、 前半は登場人物の正体やレースに出た背景もよくわからないまま、メインストーリーの間で所々に背景説明のストーリーが挿入される。
 筆者の斎藤氏は自転車レースの経験が無いばかりか、 自転車で長距離を走ったことも無さそうだ。 舞台設定にチョット無理があるのと、登場人物の胡散臭さ・非現実性に加え、 自転車に乗っている人たちの描写にもリアリティに欠けるものを感じてしまう。 人間物語として読めば、まぁそれなりに面白くはあるのだが。。。

2013年8月17日土曜日

米澤信穂 「古典部」シリーズ

米澤信穂「古典部」シリーズ

[シリーズ書評] ★★★★★

人気小説が2012年にアニメ化・TV放送され、人気がさらに上昇した作品。(そう言えばアニメ「氷菓」の制作は「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」と同じ京都アニメーションだったな。) こちらは、涼宮ハルヒシリーズのような「ありえない話」ではなく、高校生の部活(古典部)を中心とした生活を緻密に描きつつ、ミステリー的要素も交え、淡いラブストーリー的要素も入った作品。

ありそうな話中心で(作者も事実を元に創作していると明言している)、ライトノベルと言われる中では地味めの作品。とはいえ、
 ・主人公(メインの語り部)は省エネ主義の平凡(だと思っている)な男子高校生
 ・振り回され系
 ・主要な登場人物の多くは個性的な女性(ハーレム系という訳ではないが)
といったラブコメ的要素はそれなりに押さえている。健全な高校生活と微妙な男女関係を中心に描いており、派手ではないが、充分読ませる良作だと思う。

多くのライトノベルのような「ブッ飛んだ設定」でなく、安心して読める良作。

①米澤 穂信 (著), 上杉 久代 (イラスト), 清水 厚 (写真) 「氷菓 (角川文庫) [文庫]」(角川書店/角川グループパブリッシング、2001/10/31)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044271011/>

主人公・折木奉太郎が高校入学後、省エネをモットーとしているにも拘わらず、古典部に入るに至ってしまった経緯と、その古典部での活動(春~夏)を描く。古典部の部長・千反田えるの好奇心に奉太郎が振り回されて謎解きをしてしまう描写が微笑ましい。

②米澤 穂信 (著), 高野 音彦 (イラスト), 清水 厚 (写真) 「愚者のエンドロール (角川文庫) [文庫]」(角川書店/角川グループパブリッシング、2002/7/31)
<http://www.amazon.co.jp/dp/404427102X/>

高校の1学年上のクラス、2-Fの自主映画の製作が頓挫してしまった。謎解き(犯人当て)の形をとって、何故か古典部の面々が探偵役?を押しつけられてしまう。撮影の終った分と合わせて矛盾の無い展開として、奉太郎の案が採用されるが…?

明記はされていないが、奉太郎が振り回されている影に、今回も奉太郎の姉・供恵の暗躍があるようだ。。。

③米澤 穂信 (著) 「クドリャフカの順番 (角川文庫) [文庫]」(角川書店/角川グループパブリッシング、2008/5/24)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044271038/>

本作は学園祭という舞台で登場人物が色々な場所・立場から語り部となる多視点形式となっている。他人から見た自分と自分自身の認識とのズレ、気持ちの違い等が上手く書かれている。前2作を読んだ後じゃないと、この認識のズレはわかりにくいかも知れないが、語り部が代わることによって色々な視点から物語を追うことが出来るのは面白い。

◇米澤 穂信 (著) 「連峰は晴れているか」(単行本未収録、氷菓のBD第9巻付録)(角川書店、非売品/DVD発売日: 2013/02/22)
(BD:<http://www.amazon.co.jp/dp/B007RC1LQ6/>)

単行本になっていない話。奉太郎にしては珍しく、他人の為でなく、自分の疑問を解決するために動く。

④米澤 穂信 (著) 「遠まわりする雛 (角川文庫) [文庫]」(角川書店/角川グループパブリッシング、2010/7/24)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044271046/>

高校1年生の時の古典部の活動?の零れ話、バレンタインデーでの顛末、高1~2の春休みに行なわれた「生き雛祭」を題材とした話。

奉太郎の親友・福部里志と、彼を追って古典部に入部した伊原麻耶花の、なかなか実らないラブストーリーが(里志が麻耶花を受け容れてしまって良いのか迷っている)、高校生らしくて好感が持てる。

本作のラスト「遠まわりする雛」では、奉太郎がえるに対して好感を持っていることを自覚するが、里志と同じように、自分の思いに迷いが残っていることも自覚する。(アニメ版では「11.5話 持つべきものは」(高1の夏休み後半?の話)で、えるが奉太郎への告白とも取れる発言(!)をしているが、これは原作には無いストーリーのようだ/詳細未確認。)

自分は高校の頃はここまで自分の将来を決めるということは無かったけど(大学に行ってから考えればいいや…みたいな)、自分の高校のクラスメイトの中に、高校在学中から将来像を明確に決めている人もいたので、こういう展開にも納得は出来る。

⑤米澤 穂信 (著) 「ふたりの距離の概算 (角川文庫) [文庫]」(角川書店/角川グループパブリッシング、2012/6/22)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4041003253/>
主人公・折木奉太郎をはじめとする古典部のメンバー4人が2年生に進級し、
古典部の新入生勧誘活動から舞台は始まる。
最初、「“ふたり”とは誰か?」とドキッとしたが。。。そんなに安易なものではなかった。

今後の展開を期待させる良作。

2013年8月16日金曜日

西尾維新 「物語」シリーズ

西尾維新「物語」シリーズ

[シリーズ書評] ★★★☆☆

人気作家が「100%趣味で書いた」本。作家御自身が本気で楽しみながら書いたことがよく伝わる本。設定やストーリー展開がよく練られていることも勿論あるだろうが、この「本気で楽しみながら作ったこと」が読者に伝わって来るのが、本シリーズの爆発的人気の根本にあると思う。TVアニメ化されるのも頷ける作品(現在「セカンド・シーズン」放映中)。

色々と「やり過ぎ」な感じもあり、ハードルがちょっとだけ高い作品かも知れないが、ソコがクリア出来る人にとっては面白い作品だと思う。

まず、古くから使われているラブコメものの基本をキッチリ押さえている。
  • 主人公は地味目の少年:厨二病気質で友達が殆どおらず、心が弱い(自分自身が怪異モドキになった後は、スイッチが入ると強くなることもあるが)。
  • 巻き込まれ系:物語のスタートは、主人公が自分の責任でない事件に巻き込まれることで始まる(その後の方向性を選択したのは主人公自身なのだが)。
  • ハーレム構成:主人公(少年)以外の登場人物の多くは美少女で、彼女らは皆、主人公に対して好意的な感情を持つに至る。
  • エロ要素:基本的に本筋と直接関係の無い所で必要以上にエロを強調されている気もするが、客引き効果は充分か。中高生が読んで良いギリギリのレベル…をちょっと超えているような気もするが。
  • 多くのタイプの萌え少女:ツンデレやらロリやら委員長タイプやら色々出てきます。全員に共通しているのは性格が極端であること(現実世界にいたら「痛い」人たちではある)。
先に書いた「ハードルの高さ」だが、具体的には以下についてである:
  • グロいシーンが時々出てくる:妖怪変化とのバトルシーン(アニメでは映像化に問題ありそうな箇所は単色画面+文字+音声だけ、となっているが)。
  • 精神的なエグさも多い:本シリーズに出てくる「怪異」の起源の多くは、人の心に宿る闇だ。登場人物の多くは、心に闇を持っている人、心に狂気を宿している人だ。耐え難いストレスや狂おしいほどの嫉妬心がバンバン出てくる。
あと、気になる点がいくつかある
  • 言葉遊びや他の作品からのネタが多すぎて、ちょっと(否、カナリ)しつこい(作者が古い文学作品から漫画、アニメ、近年のサブカルチャーまで幅広く押さえていることはよく解るのだが)。特に登場人物間のボケ・ツッコミが…。
  • 主人公エロ過ぎ。ちょっとしつこい感じアリ。というか、中高生のエロに対するハードルってこんな低くて良いのか?と心配になるレベル。

①西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「化物語(上) (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2006/11/1)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062836025/>
②西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「化物語(下) (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2006/12/4)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062836076/>

怪異と出会い、自身が怪異化してしまった主人公・阿良々木暦が、高3のGW明けに出会った別の怪異の話。

③西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「傷物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2008/5/8)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062836637/>

主人公・阿良々木暦の高校2年-3年の間の春休みに起こった怪異現象を書いた本。阿良々木暦が初めて怪異と出会った経緯を描き、時系列的には本シリーズのとっかかりとなる部分。シリーズ中の重要人物・羽川翼のが果たした役目も書かれており、本シリーズの後の方を読む上でもキーとなる本だと思う。

④西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「偽物語(上) (講談社BOX) [単行本]」(講談社、2008/9/2)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062836793/>
⑤西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「偽物語(下) (講談社BOX) [単行本]」(講談社、2009/6/11)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837021/>

阿良々木暦の2人の妹、火憐と月火に関する物語。なんだ、暦くん、家族で1人だけ怪異に出会っていた訳じゃなかったのね、みたいな。

⑥西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「猫物語 (黒) (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2010/7/29)
<http://www.amazon.co.jp/dp/406283748X/>

本作ではクラスの委員長・羽川翼に関する物語。高3のGWに起こった怪異現象の話。時系列的には「化物語(上・下)」の直前の話。

◆セカンド・シーズン

⑦西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「猫物語 (白) (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2010/10/27)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837587/>

本作の主人公は再度羽川翼。だが、猫物語(黒)と対になっているように見えて、違っていたりする。

時期は高3の2学期の始め頃で、語り部も羽川翼になっている(本シリーズのこれまでの語り部は阿良々木暦)。阿良々木暦が語り部をやっている時に特徴的な無意味に冗長な言葉遊びが無い分、テンポ感が良い。阿良々木暦と異なる世界観、認識で書かれてるのが面白い。

それにしても。猫言葉(?)、すげー読みにくいです。ストーリーが面白くなければ途中で放り出していたかも。

⑧西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「傾物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2010/12/25)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837676/>

本書のイントロとラストのヒロインは、(“こちら”の世界では蝸牛の怪異であるところの)八九寺真宵。タイムトラベル、パラレル・ワールド(異世界)が出てくる。ノリとしては「涼宮ハルヒの分裂」「驚愕(前・後)」に近いか。

⑨西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「花物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2011/3/30)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837714/>

本作の語り部は、シリーズの主人公・阿良々木暦の1年後輩のスポーツ少女、神原駿河。最初は「猫物語(白)」に続いて語り部を変えてきただけかと思っていたが、そうではなかった。よく考えると、神原駿河の母親は怪異に因縁浅からぬ人であったし、駿河自身が母親の形見として怪異を受け継いだ人だったよな。

ちなみにこの本は、精神的に疲れている時には読むべきではないかも知れない。シリーズ中、心の闇を最も深く書いた本だからだ。読者の元気を「エナジードレイン」してしまう本と言えるかも知れない。最後まで読めばちゃんとオチはつくのだが。

⑩西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「囮物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2011/6/29)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837765/>

本作の語り部は、シリーズ主人公・阿良々木暦の下の妹・月火の元同級生、千石撫子(中学2年生)。自分を変える為の努力をしない(ある意味ダメダメな)少女が、日常押し隠している気持ち、抑え込んだ感情が溜まりにたまり、これに嫉妬が加わって狂気となり、怪異と関わってしまうという話。

思春期に入ったけれど自己認識が子供のままの少女の魂の叫びが切ないというか、痛々しい。

本シリーズ、色々なことが起きていながらバッドエンドは少ないのだが、本書はその少ないバッドエンドの1つか?

⑪西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「鬼物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2011/9/29)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837811/>

蝸牛の怪異(迷い牛)・八九寺真宵が成仏を選ぶまでのドタバタを描いた話。それまでの経緯を説明する上で、吸血鬼(の成れの果て)・忍野忍の過去の話が出てくる。結局、忍は自分たちに迫っていた現象(怪異、ではないらしい)についてよく解っていなかったのだが。
忍にもよく解っていなかった事情を、神原駿河の叔母・臥煙伊豆湖(怪異がらみのエキスパート)が出てきて全部説明しちゃうあたり、ちょっと御都合主義的な感じがしないでもないが、それなりに楽しめる。

八九寺真宵が成仏を選ぶくだりは泣かせる。

最後に、忍野扇(阿良々木暦と同じ高校の1年生)が時系列的におかしなことを言いまくっている。何かの伏線か?

⑫西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「恋物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2011/12/21)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062837927/>

「囮物語」のオチのような話。

詐欺師・貝木泥舟が今回の語り部であり、メインアクトでもある。嘘をつき、人を騙すことを生業?としている貝木の語りが面白い。語り部が高校生ではなく、30代(という設定)のキャラが語ることは、含蓄のある台詞が多くて面白い。

貝木がキッカケとなった戦場ヶ原家の崩壊だが(娘・ひたぎは、本シリーズの主人公・阿良々木暦の恋人)、考えようによっては、貝木が戦場ヶ原家(の特に娘)の為に行なったのではないかと思える記述あり。貝木は“嘘吐き”だから自分の“本心”は語っていないので何とも言えないが、貝木がひたぎに好意を持ち、彼女を家庭崩壊から(理想的でないにせよ)かなり妥当な形で救った、と見ることも出来る(ひたぎに対する貝木のラブ・ストーリーと捉えることも出来る)。

語り部・貝木泥舟の意図した形でのエンドは迎えていないが、結果としてはハッピーエンドだと言えるかもしれない。読んでいて、ちょっとホッとしたりして。

◆ファイナル・シーズン

⑬西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「憑物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2012/9/27) 
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062838125/>

本書の副題は「よつぎドール」。怪異のスペシャリストで陰陽師・影縫余弦(かげぬい よづる)の憑喪神・斧乃木余接(おののき よつぎ)が活躍する。余接の、阿良々木暦との待ち合わせでの登場の仕方がシュール(ラストでの再登場の仕方もシュール)。ストーリー的には予定調和という感じなのだが、高校3年生の2月という受験生にとって非常に大切な時期に、シリーズの主人公・阿良々木暦の怪異化がさらに進んでしまう!

1年近く前に暦を吸血鬼から人間に戻すのを全力でサポートした忍野メメ(現在行方不明)の姪、忍野扇の現われ方とか、気になる伏線?が一杯。本シリーズもあと「暦物語」「終物語」「続終物語」で完結となる筈だが、この先どうなる? 気になって仕方が無い。

⑭西尾 維新 (著), VOFAN (イラスト) 「暦物語 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]」(講談社、2013/05)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062838370/>

シリーズの主人公・阿良々木暦の高校3年生の春から大学受験(2次試験)当日までのショートストーリー集。基本的には、これまで大きな出来事を中心に構成されていたストーリーの間を縫う、小さな出来事や、そもそも出来事とも言えないような事、を中心に12話構成となっている。

にしても。このラストは「???」だ。暦は死んだのか? 再度目覚めた時に、成仏した筈の八九寺真宵がいたということは、暦も成仏したということなのか? バッドエンドどころじゃない、デッドエンドじゃないか! 「花物語」(阿良々木暦らが高校を無事卒業して大学に進学した後の話)と矛盾無く繋がる(であろう)ことを考えると、話はそう単純じゃないのだろうけど。

この辺り、続巻(未刊)の「終物語」「続終物語」で語られるのだろうか。非常に気になる。。。

※当初、ファイナルシーズンは「憑物語」「終物語」「続終物語」の3冊の予定だったが、「終物語」の前に「暦物語」が出てきた。作者曰く、「改めて阿良々木暦達が過ごした一年を振り返り、繋がりを確認してみたかったという作者的事情によるものです」とのこと。

⑮「終物語」→未刊
⑯「続終物語」→未刊

2013年8月15日木曜日

伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(1~12巻)

①伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈1〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2008/8/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048671804/>

[シリーズ書評] ★★★☆☆ (12巻のみ ☆☆☆☆☆)

人気作品が最近完結したとのことで、試しに読んでみた。
 ・主人公は平凡な男子高校生(責任感はあるが、色々と鈍感)
 ・振り回され系
 ・ツンデレに始まる様々なキャラの美少女群(ハーレム系)
と、ラブコメ要素満載のドタバタ劇。また、最近でこそ市民権を得つつあるが、“オタク”と呼ばれる人たちの生態?についても比較的ポジティブに面白可笑しく書かれていて興味深い(オタクの自己肯定とも言えるかも知れないが)

設定に色々問題アルナーとか思ったが、まずは「めちゃ面白い!」だった。…でも、この結末はNGじゃね?

兄は、オタクな妹にオタク仲間を作ってあげたくて尽力する。暫くは良い話ダナ~です。この兄、最初は妹を見守る立場でオタク仲間と一緒に活動していたんだけど、価値判断の基準が狂った人たちと一緒に過ごしているうちに、自分自身の価値基準も狂ったようだ。結果的に、兄は妹に毒された(妹は妹で以前より悪化した)。しっかりしろ、18歳! 最終巻での展開(クリスマス~卒業式)は、完全にアウトだと思う。「売れる作品、面白い展開」を狙って、こういうストーリーにしたのだとは思うが、「こういう恋愛もアリ」なんて間違ったイメージを拡散しないで欲しい。

この2人に対する、幼馴染の『普通じゃないと思う。異常だと思う。たくさんの人が、気持ち悪いって感じると思う』が正常だと思うし、『その気持ちは、絶対に誰にも言っちゃだめだよ』は本当に正しいアドバイスだと思う。彼女が妹との対決の後に流した涙は、三角関係で自分が負けたことに対する涙じゃないんだよ。幼馴染2人を人として正しい道に戻せなかったことに対する悔悟の涙なんだよ。
でも、読者(&アニメ視聴者)のうちどれ位の人にそれが伝わるだろう?

あと、例えば、中学生がR18指定のゲームをしているなど、本来あってはならない状態がさも“日常”のように描かれていることも、そういったことに対して本来持つべき「イケナイ」「後ろめたい」といった感覚を麻痺させてしまうのではないか?

その他、危ないキーワードはガンガン出てくるし。今の御時世、小学生でもネットという年齢制限の緩い所で色々調べるよね。一部の子(子供以上大人未満)が道を誤るよ。人気作品(=世の中への影響が大きい)だからこその配慮が欲しいと思う。アニメ化・TV放送されちゃっているし。映像で色々な表現を無難な物に代えたとしても、TVから原作に入る人も少なくない筈なので、その辺の影響も考えて欲しいなぁ。と思う。

②伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2008/12/5)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048674269/>

③伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈3〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2009/4/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048677586/>

④伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2009/8/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048679341/>

⑤伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2010/1/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048682717/>

⑥伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈6〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2010/5/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048685384/>

⑦伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキー・メディアワークス、2010/11/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048700529/>

⑧伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈8〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2011/5/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048704869/>

⑨伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈9〉 (電撃文庫 ふ 8-14) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2011/9/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048708139/>

⑩伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈10〉 (電撃文庫) [文庫]」(アスキーメディアワークス、2012/4/10)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048865196/>

⑪伏見 つかさ (著), かんざき ひろ (イラスト)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない (11) (電撃文庫) [文庫]」(アスキー・メディアワークス、2012/9/7)
<http://www.amazon.co.jp/dp/404886887X/>

⑫伏見 つかさ (著), かんざきひろ (イラスト) 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫) [文庫]」(アスキー・メディアワークス、2013/6/7)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4048916076/>

2013年8月14日水曜日

谷川流 「涼宮ハルヒ」シリーズ

御無沙汰いたしております。暫く更新が無く申し訳ありません。ここ数ヵ月、ライトノベルの世界を彷徨っていました(従来と同様な路線の本もボチボチ読んでいますが、そのレビューは改めて書きます)

閑話休題。

今回紹介するのは、言わずと知れた大人気ライトノベルです。

①谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292019/>

[シリーズ書評] ★★★★☆

アニメ化・TV放送され(2006年、2009年)、2010年には映画「涼宮ハルヒの消失」も上映されました。小説を追いかける形でコミカライズもされていますが、画風がちょっと同人誌的でアレなので(笑)、万人に薦められるのはライトノベルの方かと。

1作目「憂鬱」~最新刊「驚愕(前・後)」までで、ヒロイン・涼宮ハルヒと語り部・キョンの高校入学~2年生への進級直後までを描きます。高校生活の精緻な描写とブッ飛んだSF的展開(それでいて納得できる程度には辻褄が合っている)が面白いです。「分裂」~「驚愕(前・後)」では話の落とし所が見えず、ストーリー展開を追うだけでハラハラしました。が、「分裂」から「驚愕(前・後)」まで4年以上経っており、この間、作者が展開に悩んで来たことが推察できます。

特に活動的でもなく、特別な所が無い(と自覚している)語り部・キョンが、涼宮ハルヒと関わることで色々な事件に巻き込まれて行くという話ですが(振り回されモノ)、多くの人が経験している高校生活を舞台にしていること(所謂学園モノ)、ラブコメ的要素あり、ハーレム的要素あり、色々な萌え要素を重要登場人物にうまく割り振っていたりして、幅広いファン層を掴むのに成功していると思います(高橋留美子のマンガ「うる星やつら」との共通点が多いような気がします)。特に、キョン(どこにでもありそうな渾名)の本名が最後まで明かされなかったりで、読者の誰もが感情移入しやすい作りになっていると思います。

ただ、シリーズの後半になるにつけ、以前に出てきた設定(とアニメでの描写)に縛られる、展開がより荒唐無稽になって行っている傾向は見られます。この辺り、アニメ化された作品の宿命なのかも知れませんが(しかもそれが原作を凌駕する作品として映像化してしまう京都アニメーションによるものだったからなおさらです)。

このシリーズ、本当は最初の「憂鬱」で終わらせても良かったのかも知れないし、「消失」辺りで終わらせておいても区切りは良かったのかもしれません。アニメ化されて大人気シリーズとなってしまい、止めるに止められなくなっているような気もします(この辺りについては、原作は小説でなく4コマ漫画ですが、「けいおん!」の引き際は巧かったと思います)

「分裂」で広げた風呂敷は「驚愕(前・後)」で一旦収まったものの、シリーズの終了宣言はされていないようです。この後展開があるのか、あるとしたらどのような展開となるのか、気になります。が、作者の悩みも(少しだけ)分かるような気もして、次回作を期待して良いのかどうか、チョット複雑な気持ちですね。


②谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292027/>

③谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292035/>

④谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292043/>

⑤谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292051/>

⑥谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/404429206X/>

⑦谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292078/>

⑧谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292086/>

⑨谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫) [文庫]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292094/>

⑩谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫 168-10) [ペーパーバック]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292116/>

⑪谷川 流 (著), いとう のいぢ (イラスト)
「涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫 168-11) [ペーパーバック]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4044292124/>