2015年9月23日水曜日

高橋 由佳利 「トルコで私も考えた」(文庫版コミック既刊×5冊)

高橋 由佳利 「トルコで私も考えた」(文庫版コミック×5冊)

[書評] ★★★★★

アジアとヨーロッパの境目。イスラム教と他の宗教の境目(でも民族も言語もアラブやペルシャとは違う)。親日国。…そんなトルコに旅行して、人々と文化に惹かれ、現地の男性と結婚し、今は日本は神戸でトルコ料理店の女将をやっているという著者によるトルコ紀行記・エッセイ漫画。

有名な作品なので紹介するまでもないかも知れないが、とにかく、メチャクチャ面白い!

トルコの人が日本・日本人に抱くイメージや、トルコと日本との文化のギャップをユーモアたっぷりに描き出す。何にでもオチをつけたがる著者のサービスっぷりもたまらないが、たぶん日常の行動もサービス精神旺盛な人なのだろう。その著者の性格がトルコの人々にも好かれ、現地の人たちと“相思相愛”になれたのだと思う。

難点は、コミックサイズでも小さかったであろう文字がさらに小さくなってしまっていること。それと、トルコ料理を(特に家庭料理について)多くのページが割かれているので、読んでいるだけで腹が減る。ダイエッターの敵だ!?(謎)

某ビジネス誌(お堅い物)で高く評価されていたので、つい手に取った本だったが、予想以上に面白かった。たぶん、この漫画をキッカケにトルコに行ってみたり、トルコ語を学び始めたりした人が多いことだろう。
  • トルコ語は、日本語は文法が似ているらしい。日常会話に必要な単語(昔からある表現)は気合で覚えるしかなさそうだが、近代以降に現れた物を表す単語の多くはドイツ語かラテン系言語が語源のようなので憶えやそうだ(←綴りを見ると外来語だとわかる)。20~30年前は「中国語だ!」「いや、スペイン語だ!」と云われたものだが、今学んで実用的な言語は「トルコ語!」と「アラビア語!」あたりかも知れない(もう遅いってか?/笑)。
それにしても麻薬的な面白さ。寝不足に要注意だ!(笑) ちなみに、コミック版6冊目「トルコ料理屋編」は既刊だが、著者の旦那様の経営するお店のブログによると
  • 先日、「トルコで私も考えた・トルコ料理屋編」の文庫版の打ち合わせ…
とのこと(2015/08/28付)。遠からず文庫版も出るはず。楽しみだ。

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以下書籍情報:


高橋 由佳利(著)「トルコで私も考えた―トルコ入門編」(集英社文庫、2012/8/17)
<http://www.amazon.co.jp/dp/408619340X/>
文庫: 209ページ
出版社: 集英社 (2012/8/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 408619340X
ISBN-13: 978-4086193405
発売日: 2012/8/17


高橋 由佳利(著)「トルコで私も考えた―トルコ嫁入り編」(集英社文庫、2012/9/14)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4086193418/>
文庫: 227ページ
出版社: 集英社 (2012/9/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4086193418
ISBN-13: 978-4086193412
発売日: 2012/9/14


高橋 由佳利(著)「トルコで私も考えた―トルコ日常編」(集英社文庫、2012/12/18)
<http://www.amazon.co.jp/dp/408619404X/>
文庫: 204ページ
出版社: 集英社 (2012/12/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 408619404X
ISBN-13: 978-4086194044
発売日: 2012/12/18


高橋 由佳利(著)「トルコで私も考えた―トルコもっと日常編」(集英社文庫、2013/1/18)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4086194058/>
文庫: 214ページ
出版社: 集英社 (2013/1/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4086194058
ISBN-13: 978-4086194051
発売日: 2013/1/18


高橋 由佳利(著)「トルコで私も考えた―トルコ21世紀編」(集英社文庫、2013/4/18)
<http://www.amazon.co.jp/dp/4086194236/>
文庫: 208ページ
出版社: 集英社 (2013/4/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4086194236
ISBN-13: 978-4086194235
発売日: 2013/4/18

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