2016年5月29日日曜日

姜尚中・一色清 ほか「「知」の挑戦 本と新聞の大学」(Ⅰ・Ⅱ)

 

姜尚中・一色清・依光隆明・杉田敦・加藤千洋・池内了(著)「「知」の挑戦 本と新聞の大学 Ⅰ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4087206777/>
新書: 224ページ
出版社: 集英社 (2013/2/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087206777
ISBN-13: 978-4087206777
発売日: 2013/2/15

姜尚中・一色清・中島岳志・落合恵子・浜矩子・福岡伸一(著)「「知」の挑戦 本と新聞の大学 Ⅱ」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4087206785/>
新書: 256ページ
出版社: 集英社 (2013/2/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087206785
ISBN-13: 978-4087206784
発売日: 2013/2/15

[書評] ★★★☆☆

朝日新聞出版雑誌統括・一色 清 氏と、東大名誉教授・姜 尚中 氏が司会を務めた講演・対談集。ネット化・デジタル化の進行で斜陽化が叫ばれる新聞・出版業界と、少子化により転換が迫られる大学に出来ることを中心とした、文化論が大テーマ。本書において本は「干もの」新聞は「生もの」であり、「知」を養うには、双方からバランスよく情報摂取する必要があると説く。

目次は以下の通り。各講演者の説明を書くと長くなるのでWikipediaへのリンクを付けておく。 ※依光氏(朝日新聞編集委員)はWikipediaにエントリが無かったが、代表作「プロメテウスの罠」のエントリがあったのでこのリンクを付けておく。

第1回: 日本はどうなる? (一色清+姜尚中 基調対談)
第2回: 私的新聞論 ― プロメテウスの罠 (依光隆明)
第3回: 政治学の再構築に向けて (杉田敦)
第4回: 2020年の中国 ― 世界はどう評価するか (加藤千洋)
第5回: 科学と人間の不協和音 (池内了)
第6回: 橋下徹はなぜ支持されるのか (中島岳志)
第7回: OTHER VOICES・介護の社会学 (落合恵子)
第8回: グローバル時代をどう読むか ― 地球経済の回り方 (浜矩子)
第9回: 科学と芸術のあいだ (福岡伸一)
第10回: 日本のこれからを考える (一色清+姜尚中 対談)

講演時期が3.11の約1年後(2012年4月~7月)、出版時期も2013年2月と時間が経ってしまっており、一部賞味期限切れの内容もあるが、
  • 少子高齢化の進む中の民主主義のあり方
  • 「大きな政府」と「小さな政府」との間でのバランスのとり方
  • 今後必要になる資本主義への修正(市場原理だけに任せない)
  • 不安定化する世界経済に対する中央銀行の働き方
  • 科学信仰、技術振興への警告
  • 中国に関する未来予測
など、今でも(今だからこそ)考えなければならない、ホットな話題が多い。また、話し言葉から文字起こしをしているようで1文が長い箇所が多いが、それでもなお読み易いのもポイントが高い。論者の意見は左寄りのものが多いが、その割に中国の経済成長と軍事的脅威については慎重な意見である辺りに好感が持てる。

万人にオススメできる本かどうかは判断を保留したいが(苦笑)、世の中を見る目を養ってくれる本だと思う。

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