2015年4月4日土曜日

ダン・アリエリー「不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」」

ダン・アリエリー「不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4150504059/>
文庫: 448ページ
出版社: 早川書房 (2014/3/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150504059
ISBN-13: 978-4150504052
発売日: 2014/3/20

[書評] ★★★★☆

『予想どおりに不合理』(Amazon拙書評)の続巻。『予想どおりに~』では、人間の不合理性の面白い点、直観と違う点について述べられていたが、本書では、人のこころの不合理さの悪い点だけでなく、良い点についても述べ、自分の不合理さを知ってよりよく生きる方法について述べている。また、不合理な判断についての性差(男と女ではものの感じ方が違う!)について、実験を通して分かった差も書かれており、非常に興味深い。
  • 人にやる気を持たせるには?
  • 試験で実力を発揮するためには?
  • 感情に駆られてとんでもない前例を作らないためには?
  • 自分にぴったりのパートナーを見つけるには?
  • 日々のちょっとした幸せを長続きさせるには?
…こういった事柄について色々なヒントが含まれている。

社会人としても色々と応用が利く。たとえば、
  • お金を無駄遣いせずに所有欲を満足させるには?
  • 家庭生活をよりよいものにする為には?
  • 子どもや仕事仲間の「やる気のスイッチ」を入れるには?
  • プレゼンやセミナーはどう行うと効果的か?
何はともあれ、多くの人に役立つ本だと思う。

・  ・  ・  ・  ・

但し、本書に書かれたことは逆に悪用できてしまう。例えば以下のようなことについてのヒントも得られてしまう。
  • 誰かの気持ち/決断を(自分に都合の良い方向に)誘導する方法
  • ライバル(個人)の心を折り、蹴落とす方法
  • 嫌いな部下を腐らせ、業績を悪くする方法(成果に価値を認めない、無視する、左遷、窓際に追いやる、…等には“効果”があるらしい)
本書を「皆がより良く生きる」ために活用してくれるのは大いに結構だが、他人を不幸にさせる為に活用するのは出来れば避けて欲しいところだ。

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