2012年9月26日水曜日

野中郁次郎「アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新」

野中 郁次郎 (著)
「アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書) (新書)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4121012720/>
新書: 212ページ ; 出版社: 中央公論社 (1995/11) ; ISBN-10: 4121012720 ; ISBN-13: 978-4121012722 ; 発売日: 1995/11
[書評] ★★★★☆
 アメリカには、陸海空の三軍以外に「海兵隊」という軍隊が存在する。その起源は立国の時にまで遡るが、元々は英国軍隊の海兵隊に相当する軍隊として作られたようだ。 我が国では、大東亜戦争中期~後期、南洋でアメリカ軍の上陸を許したのが戦線の崩れへと繋がったが、ここでアメリカ軍の主力となって働いたのが海兵隊であった。
 海兵隊は、時代の流れとともに度々出てきた海兵隊不要論に掻き消されないよう、 自らの存在意義をイノベートしてきた。 米国独立戦争に始まり、米国の経験した大きな戦争だけでも、 南北戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争…、これらの戦争のたびに、その前後で、海兵隊は自らの存在価値・役割を大きく変えてきた。 存在が危うい時期を経験したからこそ、アメリカ海兵隊は自らをイノベートできたと言えるし、こうした歴史を通じて、常に世界最強の少数精鋭軍として君臨し続けてきたとも言える。
 時代の流れとともに存在意義を定義し直し、自らをイノベートする組織。 変化の激しい今の時代、企業人が読んでも得るところは大きいと考える。

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