2012年9月27日木曜日

中村秀樹「本当の潜水艦の戦い方―優れた用兵者が操る特異な艦種」

中村 秀樹 (著)
「本当の潜水艦の戦い方―優れた用兵者が操る特異な艦種 (光人社NF文庫) (文庫)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4769824939/>
文庫: 317ページ ; 出版社: 光人社 (2006/05) ; ISBN-10: 4769824939 ; ISBN-13: 978-4769824930 ; 発売日: 2006/05
[書評] ★★★★☆
 元海上自衛隊潜水艦長が戦争の実態に基づいて検証し、 旧帝国海軍(そして海上自衛隊も)が潜水艦という艦種は特異な艦種を上手に使えなかった原因を分析し、正しい用法を示す。
 潜水艦の用法を誤った背景として、日本軍(帝国軍・自衛隊)の情報軽視の体質、そして、情報軽視の根本的な原因として、自己に都合の悪い現実に目を背ける硬直性を挙げる。この情報を重視する為には、情報収集に熱意を持つだけでなく、 好ましくない現実をも受け入れる柔軟性を必要とするが、日本軍にはこれが欠けていたと言う。
 また、日本の下士官は世界一という評価についても同様に分析する。 下士官とは、方針の決定者・命令者を補佐し、技量未熟な若年兵を指導監督しつつ、 頻発する不備・行き違いを臨機応変に高い技量で吸収して、 軍隊という巨大な組織の活動を支える役割を担う、とする。 日本人の民族性は、この下士官に最適な特徴といえる。 日本の軍隊は、陸海軍を問わず、下士官の技量と下級士官の献身において世界最高の水準にあった。
 リーダーの情報軽視・硬直性と、最高水準の下士官。 軍隊だけでなく、どこぞの企業のことを言っているようにも読める。 組織論として読んでも非常に興味深い。

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