2013年3月5日火曜日

高坂希太郎 監督「茄子 アンダルシアの夏」(DVD)


「茄子 アンダルシアの夏」(DVD)
< http://www.amazon.co.jp/dp/B000UX9F1C/>
監督: 高坂希太郎
出演: 大泉洋, 小池栄子, 筧利夫, 平野稔, 緒方愛香
販売元: バップ; DVD発売日: 2007/10/24; 時間: 47 分
[書評] ★★★★★
 自転車マンガのDVDと言えば、これに限る。と思う。
 このDVDを見て思ったのが、自転車の描き込み方が尋常でないということ。 本当の自転車好きが描いたんだなぁ、と良く分かる。フレームもパーツ類も全て、実際に使われている物を描き込んでいる(メーカ名は パロディになっているが)。ちなみに、主人公・ペペが乗っている自転車はBattaglin辺りのフレーム、パーツはCampagnoloだ。シマノの変速機(実物)が「カチ、カチ、カチ」と1段ずつ変速して行くのに対し、Campagnoloの変速機(実物)は「ゴリゴリッ」と数段一気に変速するが、ペペが変速するシーンでは、本当にCampagnoloの変速の雰囲気が良く出ている。さらに、ホイールの材質による走行音・変速時の音の違いとかまで拘っている(マニアにしか判らない所までこだわるか?みたいな。ジブリ作品のディテールへの拘りと同じ匂いを感じます)。
 ※ジブリの他の作品の話になりますが、たとえば「天空の城ラピュタ」。 主人公・パズーがトランペットを吹くシーンがありますが、 指の動きと出ている音の関係が正しいのです。 自分で吹いてみたいなと思って聴き取った時に気づきました。なんちゅう細かな拘りだぁ。 さらに、出てくるチームから選手まで、 全て実在の物・人物のパロディとなっている。ツールやジロの映像を見てきた人間が見ると、そういう意味でも面白い。
 閑話休題。 本編は、3大グランツールの1つ、ヴエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン1週ツアー戦で3週間かけて総合成績を競う)で、なかなか勝てない弱小チームのアシスト選手(エースの選手を勝たせる為に身を挺して働く選手)である主人公・ペペがチーム戦略として「逃げ」に出る。その日のレースは、たまたまペペの故郷を通るのだが、そこで後続集団に残っているペペのチームのエース選手にトラブルが!(あとはネタバレになるので書きませんが…)
 スタジオ・ジブリの高坂希太郎氏が監督しているとあって、絵も綺麗だが、ストーリー、構成、全てが良い。 時間こそ47分と短いが、爽やかになれる映画。 自転車に乗らない人、自転車レースを知らない人が見ても面白いと思う。お勧め。

 すみません、調子に乗ってまたまたDVDの感想文になってしまいました。この次もう1回だけ続編を書きますけど、ユ・ル・シ・テ!(笑)

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