2013年2月19日火曜日

アニリール・セルカン「宇宙エレベーター」

アニリール・セルカン (著)
「宇宙エレベーター (単行本(ソフトカバー))」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4479391398/>
単行本(ソフトカバー): 192ページ、出版社: 大和書房 (2006/6/22)、ISBN-10: 4479391398、ISBN-13: 978-4479391395
[書評] ★★★★★
 トルコ人初の宇宙飛行士(欧州共同体の宇宙計画で宇宙に飛び立つ日を待つ宇宙飛行士)、アニリール・セルカンの書。 筆者はトルコのエリート技術者であるが、本書は随筆(エッセイ)っぽい内容だ。
 著者がトルコ国内の中学生向け発明・技術コンテストで優勝し、 奨学生としてスイスの高校に留学し、イタズラが原因で仲間たちと退学になって帰国後、 「タイムマシンを作ろう」と思い立ち、イタズラ仲間を世界中から集めて タイムマシンを作るプロジェクトに取り組んだ件は、 前著「タイムマシン (単行本) 」に詳しい。
 本書ではそのコンテストの件から始まり、東京大学で宇宙建築の研究に取り組み、 宇宙ステーションとの行き来に経済的なシステム「宇宙エレベータ」のシステムを考案する件、これが縁で宇宙飛行士になる道が開かれたことが書かれている。ここまでで前半。
 後半は、世界各地の「伝説」「宗教」など、宗教寄りの話もあり、また、時間旅行の可否や物理学の可能性といった方向にまで言及する。 色々考えさせられることも多いが、ポジティブであり、かつ不必要に気負うこともなく、 淡々としている書き方は非常に好感を持てる。


【追記】 後で「アニリール・セルカン」で検索したら、東大の博士論文でデータの盗用等により学位を剥奪されていた人だったのですね(“東京大学への告発”)。学術活動におけるデータ捏造や盗用が度々問題になっていた時期に、アナタもやっちゃったのね!的なというか。本書を読んだ時にはワクワクしながら読んだのだが、それだけにガッカリ感というか怒りというか、…そういう感情は否めない。

0 件のコメント:

コメントを投稿