2013年2月23日土曜日

いかりや長介「だめだこりゃ」

いかりや 長介 (著)
「だめだこりゃ 新潮文庫」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4101092214/>
文庫: 257 p ; 出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101092214 ; (2003/06)
[書評] ★★★★★
 五つ星にしたが、最初に断っておこう。この本から何かを得ようと思ってはイケナイ。この本は、いかりや長介氏がその半生を綴ったエッセイである。バンドマンに始まり、お笑い芸人となり、俳優業となり、と(本人によれば)流されるままにやってきた人生である。その中での苦労話や舞台裏の秘話等が綴られている。 何かを得るための本ではない。癒し系(?!)の本である。
 子供時代に「8時だよ!全員集合!」を見ていた頃は、この人がこんなシブ~いオジサン(おじいちゃん?!)になるとは思わなかった。 年齢をとって角が丸くなったことや、友人(荒井注氏ら)が亡くなって、 彼らの人生と自分の人生を振り返った人ゆえの達観したもの、というのもあるのだろうか。
 この本の中で著者は、多才な芸人でありながら、いたって控えめなことである。たぶん、文字に表わしていない努力も沢山しただろうし、 悔しい思いをしたことも数え切れないくらいあるだろう。それでも、周りの人に助けられて自分はこうしてやってこれた、という感謝の念を持っていること。そういう姿勢だったからこそ、この人はこうしてやって来れたんだろうな、と思う。
 おっと、「何かを得ようと思ってはイケナイ」なんて書きながらも、いかりや氏の姿勢には学ぶべきものがある、という結論になってしまった。ま、いっか。(笑)
 それにしても。こういう生きかたもアリなんだな、と思う(自分には真似できないけど)。いかりや氏の御冥福を祈りたい。

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