2012年6月29日金曜日

横田好太郎「キヤノンとカネボウ」

横田 好太郎 (著)
「キヤノンとカネボウ (新潮新書) (新書)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/410610153X/>
新書: 189ページ; 出版社: 新潮社 (2006/02); ISBN-10: 410610153X; ISBN-13: 978-4106101533; 発売日: 2006/02
[書評] ★★★★☆
 戦前、日本最大の複合企業(コンツェルン)として君臨したカネボウ(鐘淵紡績)。そのカネボウも、戦後の経済と市場の変化に追随できず、企業は弱体化、とうとう粉飾決済といった社会問題を起こした。2005年5月12日、東京証券取引所はカネボウ株の上場廃止を決定。 著者は、そんな死に体のカネボウから、 新興企業(と言って良いだろう)キヤノンに転職。キヤノンは町工場から出発した企業だが、経団連会長まで出した会社だ。 全く対照的な両社に勤めたサラリーマンが、内側から見た両社の企業文化を比較。
 ただ、カネボウはただ悪いだけの会社ではない。 戦後のGHQ指導による財閥解体により企業は小さくなったとは言え、 大コンツェルンの文化を受け継ぐ会社には、その会社なりの優れた点や文化もあった。ただ、一部の経営者(とそれを排除しなかった経営体)が カネボウを食い物にして会社を凋落への道へと導いたと言える。
凋落する企業と躍進する企業の違いについて、 企業人として是非読んでおきたい1冊。

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