2012年8月13日月曜日

藤本篤志「社畜のススメ」

藤本 篤志 (著)
「社畜のススメ (新潮新書) [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4106104458/>
単行本: 191ページ; 出版社: 新潮社 (2011/11); ISBN-10: 4106104458; ISBN-13: 978-4106104459; 発売日: 2011/11
[書評] ★★☆☆☆
 毒のあるタイトルだが、内容は割とマトモ。 会社員になりたてのヒヨッ子が自分らしさを追求したり自己啓発書に啓発されたりしてもロクなことは無いよ、まずは仕事の基礎をしっかり身に付けるのが先でしょう、という本。だが、当たり前のことばかりが書いてあるような気もする(新しい知見、視点を与える本ではない)。
 読者一般を「私たち凡人」と、夢を無くす本ではある。オトナになったら夢なんか見ていないで、まずは会社の言うことをよく聞きなさいよ、という風にも解釈できるが、我々凡人は、超エリートの本を読んで、 超エリートの追体験をしているのだ。その愉しみを味わうのは個人の自由なのだと思うが。また、自己啓発書に簡単にカブレるような人は、 社会人としての段階:「守」「破」「離」いずれの段階でもカブレてしまうと思うのだが。
 いずれにしても、「会社の言う通りにやってみる」のは、その会社の教育訓練プラン・教育担当者・会社の組織自体がマトモでないと、その人の人生自体を狂わされてしまう訳だが、その辺りの前提条件については全く触れられていない。そりゃそうか、下積み時代から会社のその辺りのことを気にしていたら、 基礎として身に付けるべきコトも身につかないか。
 毒のあるタイトルだけに、著者が本当に読んで欲しい層(自己啓発に注力していたり、 自分らしさ・自分探しをしている人たち、特に入社数年の新人層)には避けられる傾向にあるのではないだろうか。
 という訳で。15年前の自分が読んだらどうだったかを考え、★2つにしました(今現在の自分にとっては★1個止まりだなぁ)。

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